「死んでいる職場」の管理職に見られるもうひとつの欠点は、部下の能力を見抜けず、課などの「チームを束ねる力」がないことである。

【5】部下の能力を見抜けず、「チームを束ねる力」がない

 部下の能力とやる気は多様である。管理職は部下一人ひとりの能力、特性を見抜き、適材適所に配置して活かさなければならない。

「生きている職場」の管理職には、「チームの力」を最大限に引き出すために、部下を「束ねる力」がある。

 ところが、「死んでいる職場」の管理職ほど、職場がたんなる部下の「寄せ集め」になってしまっている。ひとつのチームとして思いを共有することも、機能させることもできない。

 そのため、「死んでいる職場」のチームはお互いの仕事に関心を持たず、一体感が生まれないのだ。

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【6】すぐにあきらめて「粘る力」がない

 最後の「死んでいる職場」の管理職の欠点は「粘る力」がないことである。

「生きている職場」の管理職は、困難な問題に直面した際も、決してあきらめることなく、最後まで粘ることができるが、「死んでいる職場」の管理職は「粘る力」がないので、くらいつくこともなく、すぐにあきらめてしまう。

 部下は、管理職の行動を規範としている。「粘る力」がない管理職のもとでは、部下にも「粘る力」が育たないため、職場が死んでいくのである。

管理職が変われば、「生きている職場」になれる

 可能性を秘めている管理職たちに火をつけ、覚醒させることができるかどうか。「生きている会社」へと再生するための鍵は、課長をはじめとした管理職の活性化にある。課などのチームを率いる管理職こそが、「創造」と「変革」の推進エンジンでなくてはならない。

 会社のエンジンたるべき管理職に必要なのは「突破する力」だ。創造や変革は、「突破」がなければ絶対に生まれない。

 みなさんの職場の管理職は「生きている」だろうか。もしいま「死んでいる」管理職でも、本記事で紹介した「6大欠点」を克服できれば、必ず「生きている職場」「生きている会社」に変わることができると私は確信している。


遠藤 功(えんどう いさお)ローランド・ベルガー日本法人会長 早稲田大学商学部卒業、米国ボストンカレッジ経営学修士(MBA)。三菱電機株式会社、米系戦略コンサルティング会社を経て、現職。2016年3月、13年間教鞭を執った早稲田大学ビジネススクール教授を退任。著書に、『現場力を鍛える』『見える化』『現場論』(いずれも東洋経済新報社)、『新幹線お掃除の天使たち』(あさ出版)などベストセラー多数。