お笑い芸人もしかり

 ブルゾンちえみの名前があがったところで、次は上半期のブレイク芸人に目を向けてみよう。昨年は、ブルゾンちえみはじめ、アキラ100%やにゃんこスターなど、新星が生まれているが、今年はどうなのか。

「ひょっこりはんが、どうにかウケてるかなといったところですが、CMや各バラエティにひっぱりだこというほどではないですよね。

 ちょっと変化球的な要素が強い野生爆弾のくっきー、女性コンビのガンバレルーヤ、親子漫才の完熟フレッシュあたりが活躍しています。でも、どの芸人も、社会現象が起こるほどの活躍には至っていないと思いますね」(同・芸能記者)

 たとえ一発屋だとしても、お笑い界でも大ブレイクは訪れていない状況だ。これについて、ある放送作家はこう分析する。

まずは、ネタ番組の減少ですね。理由は、視聴率が取れなくなったということですが、とにかくネタを見せる機会が減りました。

 続いては、中高生以下の若い世代の興味が、YouTubeやTik Tokなどのスマホ動画のほうに移ってしまっていることが考えられます」

 さらに今年は平昌五輪、サッカーW杯といった大きなスポーツイベントに加え、芸能に関するスキャンダルが多発したことも理由にあげた。

「今年の上半期も、芸能人の不倫騒動や離婚が相次ぎました。小泉今日子と豊原功補、小室哲哉に高橋由美子や秋元優里アナウンサーの不倫騒動は大きな話題になりました。また、元TOKIO・山口達也の強制わいせつ事件は、連日テレビで大きく報じらレました。ということで、芸人にまで興味がいかないんですよね。

 一発屋芸人やヒット曲は“ブーム”なんです。そのブームというのは、コミュニケーションによって起こるもの。だから、別のコミュニケーションツールや話題のほうが強ければ、負けてしまうんです」(放送作家)

 2018年も残り約5か月。「2018年は〇〇の年」という、ふさわしい新星の登場に期待したい。

<取材・文/渋谷恭太郎>