家族と。前列左からメイコ、善之介、善行。後列左からはづき、カンナ

はづき 母は友達がいないし、人と仲よくしたいっていう気持ちもないんです。そもそも子役をやってて学校に行っていないから、友達がどういうものか知らないんですよ。「友達とどうやって付き合うか」とか「友達が欲しい、寂しい」っていう感覚もないから。

メイコ あら、黒柳徹子さんも、似たような感じよ。

はづき そうね。そういえばママと徹子さんが銀座で偶然会って、その場で2時間、話していたことがあったわね……。

ひばりさんのご祝儀

─そんなメイコさんの親友といえば、あの美空ひばりさんだったというのは有名な話ですが。

メイコ 私が言うのもなんだけど、あの人も変わってましたからねえ。私が結婚して子どもができてから本格的に付き合いができたんだけど、それにしたって、ひばりさんのお母さんから「ひばりに普通の家庭を見せてやってほしい」って言われてですからね。

はづき うちが普通かっていうと、母がいる時点でどうなのかという(笑)。

メイコ でも私、芸能生活だけでなく、“奥さん業”も長いんですよ。主婦生活は今年で61年目ですから。女優でこんなにひとりの男と長く暮らした人ってまずいない。本っ当に不名誉。

昭和30年ごろに発売されていたプロマイド。このころ神津善行と交際していた

 私ね、自分の個性や性格を出して主婦とか母親を務めることができないのね。だから“演じて”きたの。

はづき 子どものころ、ひばりさんのご自宅で日舞を習っていたんですが、終わってから習ったことを披露すると、ひばりさんとお母さんがすごく褒めてくれるんですよ。

 その後、いつもいいお菓子を出してくれた。うちではそんなふうに母が褒めてくれることがなかったから、うれしくて(笑)。

メイコ ひばりさんはね、気っ風がよくて、ほんと記憶力のいい人でね。わが家に来て私たち2人でいつも酔いつぶれるのね。そうすると次の日に飲んだ分のお酒や、お給仕してくれたうちのお手伝いさんたちへのプレゼントが届くの。

 あと、結婚式に行くとお祝い金が札束なものだから、持っていくのはご祝儀袋じゃなくてお金を半紙でくるんでいるの。だから「あなたと一緒に出かけるの嫌なのよ」って言ってやってたのよ。

はづき そういうところは、ママはひばりさんより普通かもね(笑)。

メイコ でも私、普通の女の人みたいに夫に嫉妬なんかしないわよ。夫にはいつまでも素敵な女性と浮名を流してほしいもの。最近は、全然ないわね……。まったく、つまんない男になったわ。

はづき 私たちきょうだいも、父にお気に入りの女性ができるたびに会わせられたりしてましたね。でも、どの人もどこか母に似ているんですよ(笑)。