確かに、第2話で扱った案件は「病院院長による看護師へのセクハラ・パワハラを示談で解決する」という、“ありがち”な設定だったが……。

「それに加えて主演の織田さん、中島さんのキャラクター設定が、原作と同じ“傲慢なやり手弁護士”と“天才的な記憶力を持つ部下”にも関わらず、2話では全くその設定が活かされていないんです。

 正直、このストーリーでは、『SUITS』を原作にする意味もあまり感じられません。それにも関わらずセリフ回しだけアメリカ風なので、単に違和感だけが目立つという(笑)」(前出・テレビ局関係者)

 実は、『SUITS』のリメイクは日本が初めてではない。お隣の韓国でも今年の4月から6月まで放送されていた。

 主演は、韓国四天王の1人、チャン・ドンゴン。人気俳優の起用で、ヒットが期待されたのだが、残念ながら韓国での平均視聴率は8・9%(ニールセン調べ)に留まったようだ。

 低迷した理由として、

「セットのスケールが小さすぎる。話のアレンジが何となく暗い。女性ファッションがアメリカ版と比べて地味などと、アメリカ版を見ている人たちからは不評でした」(前出・テレビ誌ライター)

 なんだか日本版に向けられた指摘と似ているような気もするが。

 秋の夜長、三者三様の『SUITS』を見比べてみるのも一興では。

<芸能ジャーナリスト・佐々木博之>
◎元フライデー記者。現在も週刊誌等で取材活動を続けており、テレビ・ラジオ番組などでコメンテーターとしても活躍中。