共通化のカギは「冷静に説明すること」

「なぜ“いい夫婦”をつくるチャンスが熟年なのか。それは50代になると性差が少なくなり、お互いが理解できるようになる時期だからです」

 男性は合理的で社会派、女性は感情的で家庭派。これを共通化していくのに50代は最適だとか。

「成功させるためには、まずは夫婦に“あうんの呼吸”は存在しないと思ったほうがいいでしょう。少し難しい話になりますが、ヒトの免疫にかかわるHLA遺伝子というものがあります。

 人は自分と違うHLAを持っている異性と生殖相性がよく、お互い惹かれ合います。違うタイプだから結婚したのであって“言わなくてもわかって”というのは、難しいことなのです」

 夫との共通化をスムーズに行うには、妻が冷静に説明することが大事だという。

「仕事上でよくいわれるホウレンソウ(報告、連絡、相談)をマスターしましょう。事細かに今日、行った家事を夫に報告してください。最初は聞かないかもしれませんが、次第に夫は上司の気分になって、フンフンと聞いてくれるようになりますよ」

 いい夫婦作戦は、脳に受け入れ態勢がある50代前半から始めるのがいいという。

「夫が退職してからでは妻がやることが増えるので、今から始めるのがチャンスです」

 これから先の長い人生、少しでも夫が変わることで、ストレス軽減になるなら、試してみる価値アリ!

(取材・文/山崎ますみ)


《PROFILE》
黒川伊保子さん ◎くろかわ・いほこ。1959年生まれ。人工知能研究者。脳科学コメンテーター。感性アナリスト。随筆家。30年以上にわたってAI(人工知能)開発に携わり、脳とことばの研究を始める。著書に『女の機嫌の直し方』など多数。