控除を制する者は、税金を制する

日沢「突然ですが、Kさんは所得控除という言葉をご存知ですか?」

Kさん「聞いたことはありますが、詳しくはわかりません」

日沢「税金を計算する際に、条件を満たせば控除できる金額のことです。実は税金を抑えるポイントは、この所得控除に漏れがないか確認することなんですよ。全部で14種類ありますが、特に間違いの多い3つのポイントを教えますね」

(1)障がい者のご家族がいれば控除できる【障害者控除】

 本人もしくは、生計を一にする親族(専門用語で、“養っている家族”のことです)に障がいがある場合には「障害者控除」が受けられます。この規定は年齢による制限がありません。

 また「障害者手帳」がなくても、寝たきりの高齢者がいる場合などには、各市区町村の福祉課が発行する証明書があれば適用が受けられます。

(2)配偶者の年収が少し高くても配偶者の控除は受けられる【配偶者特別控除】

 配偶者が年間150万円以上(去年までは103万円)稼ぐと扶養から外れると考えがちですが、実は年間201万円以下なら配偶者特別控除という規定を受けられます。

(3)仕送りで暮らす家族がいれば扶養となる【扶養控除】

 生計を一にする親族であれば、一緒に暮らしていなくても扶養控除が受けられます。例として、仕送りだけで暮らしている子や親ですね。仕送りを使わず、年金で暮らしているようなケースは生計が一とは認められません。

日沢「個別の細かい規定や控除額は省略しますが、こんなところですね」

Kさん「そうなんですね。参考になります」

日沢「あと、KさんはiDeCoという商品をご存知ですか?」

Kさん「イデコですか? それはなんでしょうか」

日沢「iDeCoはよく銀行などで販売している、自分で年金を積み立てる商品ですが、実はこれも所得控除の一種なんです。正確には、個人型確定拠出年金といいまして、60歳未満であれば加入できます。支払った全額が所得控除でき、かつ積み立てもできるという画期的な商品です。

 同じ金額を貯金するより所得控除した方が節税になりますよね。ただし積立額は60歳まで引き出せないのがネックで、企業やお勤めの状況で加入資格や最大掛金が異なります。月々5,000円と少額からでもはじめられますので、ぜひ検討してみてください」

Kさん「そうなんですね。銀行に聞いてみます」