一般的に弁護士という存在自体が、身近になってきているのではないでしょうか

 そう話すのは『弁護士法人・響』の西川研一代表弁護士。

昨今、社会を賑わせているのは、不倫、相続問題、パワハラ、セクハラなどのような問題が多いですよね。私も含めて、ワイドショーや情報番組でコメントを求められる弁護士がかなり増えていますが、一般の方がこういったトラブルを自分に置きかえて“これは身近な問題なんだ”と認識するようになったのもひとつの要因だと思います

 ここ10数年で弁護士の人数も倍増したため、弁護士業界で競争が激化。業務がサービス業化しているという。

「訴訟件数自体はそれほど増えていませんが、一般の方も身近なトラブルに巻き込まれて、裁判までは至らずとも弁護士に相談、依頼するケースは増えているかもしれませんね」(西川弁護士、以下同)

 ご近所トラブルから殺人事件まで幅広い案件を取り扱う弁護士は、ドラマ向きの職業だとも。

「さまざまな人間ドラマやストーリーを展開しやすく、ネタ切れになる心配もないと思います。『99・9』や『イノセンス』は不可能に近いとされる“冤罪弁護”に立ち向かうというストーリーですが、このような大逆転劇を演出できるのも魅力のひとつです」

 親近感のある存在となった弁護士が、法廷で悪者を懲らしめる─。新しいヒーロー像が誕生したのかもしれない。

 だが、西川弁護士はドラマを見ていて気になるところもチラホラ……。

「法廷で殴り合いや言い争いが起こることは、まずありえません。弁護士と検事の“異議あり”の応酬も実際はないですね。ただし、検察側の手続きの進め方などについては、ドラマのようにもっと異議がとなえられるべきだと思いますが……。また、民事訴訟でドラマのようにアレコレ口頭で言おうものなら、裁判官から“書面で出していただけますか”と言われてしまいます(笑)」

 プロから見れば、それこそ“異議あり!”と言いたくなるようなツッコミどころもあるようだけど……。今の時代を反映した見どころ満載な弁護士ドラマ、ぜひ見比べてみてはいかが?