一切ぶれることなく、狙いは「上履き」オンリー。コソ泥ならぬ「上履き泥」だ。しかもガソリン代をかけ、千葉からわざわざ鹿児島などへ車で遠征して、犯行現場に忍び込んでいる。そのワケは?

「家族名義の車で移動しながら、立ち寄った先で犯行に及んだとみられます。しかし、最初の逮捕から否認を続けているので、なぜ集めたかなど事件に関することは供述しておらず、わかっていません」

 と前出・捜査関係者も心底あきれ顔。約300足のうち、

「被害者が判明したのが約100足。残り約200足は不明です。男女の比率は女の子6割、男の子4割で、中学生以上とみられるサイズの上履きは見つかっていません」

 容疑者宅は、JR総武線市川駅から徒歩5分ほどの住宅地。両親と兄弟と暮らしていた。近隣の80代の女性は、

「どちらかといえば細身。ただ見かけるのはいつも夕方ごろや夜遅くにどこかへ出かけていくところでした」

 近所に容疑者と付き合いのある住民はほとんどおらず、その素顔はわかっていない。

「頻繁に宅配便が来ていました。そんなに届けてもらうものがあるのかって不思議でした」(前出・女性)

 インターネット上には使用ずみの上履きを売買する書き込みやネットオークションがあり、光澤容疑者が盗みのほかこうしたサイトを利用していたとしても不思議はない。「上履きがなくなって、いたずらされている、いじめられていると思って傷ついた子もいたのでは」(容疑者宅近くの主婦)という可能性もあるだけに、気味が悪い事件の動機が知りたいところだ。

働く男の長靴

 さて、もう1件の事件は、東京・足立区で発生した。

 警視庁竹の塚署は3月15日、足立区の自称会社員、神尾寛幸容疑者(53)を、建造物侵入及び窃盗などの疑いで緊急逮捕した。「上履き泥」の4度目の逮捕日と、奇妙なことに同じ日だ。

「容疑者は食品加工会社に侵入し、同社所有の長靴2足を盗んだものです」

 と警視庁の捜査関係者。実はこの日の犯行が初めてではなく、神尾容疑者は常習的に同社に忍び込んでいたという。

神尾容疑者は、この靴箱から長靴を盗んだ
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「昨年暮れくらいですかね、なくなり始めたのは。最初は従業員同士のいたずらか、業者さんが間違えてはいて帰ったのかなとも考えました」

 そう振り返るのは同社の社長だ。その後、2度3度と長靴がなくなることがあり、

「これはおかしいと思い、靴置き場に防犯カメラを設置しました。2月に長靴がなくなったとき、防犯カメラを見たら全然知らない男が映っていて“誰だこれ?”って。警察に相談していたので、巡回中の捜査員が犯人を捕まえてくれて、緊急逮捕になりました」