歌手の長渕剛(62)が約20年ぶりに主演を務める映画『太陽の家』(2020年公開)。先日、キャスト発表会見が都内の映画館で行われた。

 長渕以外に飯島直子(51)、広末涼子(38)、瑛太(36)らが顔をそろえ、撮影現場の雰囲気のよさ、座長長渕のけん引力をたたえたが、その場に集まった芸能記者が一様に驚いたのが、瑛太が長渕とのただならぬ関係をカミングアウトしたことだった。

 記者陣は「2人が仲よしだったと聞いたことがない」「初めて知った」と口をあんぐりさせるばかり。寝耳に水だった。

僕が求めていた父親

 瑛太は長渕のことを「剛さん」と呼び、子どものころから長渕の影響を受けたことを包み隠さず明かした。

「僕自身、小学生のころから剛さんの映画や音楽などに触れて、そして僕はその生きざまに、小学生の小さい自分ではあったんですけど、すごく強烈な印象を受けまして。

 それからギターを覚え、剛さんの曲を歌い、そんな生活を、今このときまでずっと続けてきています。どんなに苦しいときでも、弱い自分が出てきたときでも、剛さんの曲に支えられ、這いあがらないといけないということを感じてきた」

 と、現在まで続く精神的支えが長渕であることをクールな口調ながら熱い言葉で語った。   

 私生活でも交流があるそうで、

「2年ほど前に剛さんに実際にお会いすることができ、そこから一緒に食事とかトレーニングとかさせてもらっているんです。長渕剛さんの世間的なイメージとか、僕が持っていたイメージとか、もちろん合致している部分はあるんですが、それ以上に僕が求めていた、亡くなった父親と(長渕は)同じ鹿児島の人で、父親っていうのは、こういう人であってほしい、強く優しく、いつも笑っていて

 と、父親の残像を長渕に重ねていることを明かした。

 さらに長渕の男気について「そのまま、剛さんの存在自体が、そうじゃないですかね。強さと優しさを持っている。一緒にいても、父性を背中からも感じるし、剛さんの言葉に対しても響くものがありますし、存在自体が男気です」

 と言及。一方の長渕は、

瑛太、かわいくてしょうがない。普段の瑛太も、お芝居している瑛太も、かわいくてしょうがないですね。男同士だからかなり叱咤(しった)しあったり、電話をときどきしあったりしますけど、瑛太っていう男には、お父さん的な気持ちになることもありますけど、かわいいですよ、かわいい、かわいくてしょうがない」

 と「かわいい」を連発した。

 一見クールな瑛太が、10代のはじめのころから熱狂的な長渕ファン=長渕信者だったという驚き。還暦を過ぎた長渕が「かわいい」を連発し形容する驚き。

 映画の中で瑛太は、長渕演じる大工の愛弟子の左官職人を演じる。映画や私生活を通して、瑛太が長渕のどんな言葉に影響を受け、長渕のどんな影響を自身に注入しているのか。

 今後、さまざまな局面における瑛太の言動に、注目だ。

<取材・文/薮入うらら>