6日に厚労省で行われた提訴会見の様子。写真右から徳住堅治弁護士、伊藤安奈弁護士、福田さん

「セクハラなんてなかったのに、捏造してけしからん! 相田幸子さん(仮名・40代)はセクハラなんかなかったと言ってるじゃないか!」

 昨年12月17日、社長室に呼び出された福田由紀さん(仮名・50)は、龍角散の藤井隆太社長(60)にパソコン、携帯電話、社員証を取り上げられたうえに、自宅待機を命じられ、今年3月28日、解雇を告げられた。福田さんは社長によるセクハラ行為の情報を受け、社内に相談窓口を設けようとしていた矢先のことだったという。

 6日、福田さんは解雇は不当で無効だとして地位の確認や賃金の支払いなどを求めて東京地裁に提訴した。

「勇気を出さなければ第2、第3の被害者が出ると思い提訴に踏み切りました」

 福田さんが龍角散に入社したのは2012年。IT企業の法務担当だった経験などを評価され管理職として採用された。入社早々、高い評価を受けた福田さんは翌年には法務担当部長に昇格。

 その後も社内の横領事件を見つけて告訴するなど会社の問題解決を図ってきたという。ところが、藤井社長によるセクハラを問題視し社内に第三者相談窓口の設置を検討しようとしたところ、解雇を通知されたのだ。

堂々と触り続けた社長

 そのセクハラは昨年12月6日の開発部の忘年会で起きた。訴状や福田さんの話からその様子を再現する。

 藤井社長は締めの挨拶を行っていたが、途中から脱線。派遣社員から業務委託社員へ昇格したばかりの相田幸子さんに「君を社員にしたのは私だ」と述べ、続けて「君が大好きなんだよ」と言って相田さんの手や背中をさすったり、身体に手をまわし一方的に抱きつき始めた。

 相田さんは「社長、私、高いんですよ。お触り50円、抱きつき200円です」と諫めようとするも社長は意に介さず触り続け、「社長もう900円になりました」と相田さん。抱きつき1回200円だと4回、お触り1回50円だと18回も触ったことになる。