山田容疑者は定職につかず肉体労働や、風俗の呼び込みなどで食いつなぎ、ときどき辻村さんの家からフラッと姿を消すことも。若い女性を“彼女だよ”と飲食店スタッフに紹介したこともあるという。

「辻村さんの束縛が嫌になったサチが“もう一緒に暮らせない”と捨てぜりふを吐くと、辻村さんが激怒してもめたことがあったようです」(前出・女性店主)

 家がない山田容疑者だったが、そのころにはもう行くあてがあった。田中容疑者の家だ。小田急線百合ヶ丘駅から徒歩10分に位置する築41年の2階建てアパート。戸数は4戸。事件は、そこで起きた。

 逮捕容疑は、6月7日午前5時ごろから午前7時10分ごろまでの間に、田中容疑者と山田容疑者が共謀し、辻村さんの頭部を殴打するなど暴行を加え殺したもの。死因は頸部圧迫による窒息死だった。

 近隣に住む60代の女性は、

「7日の真夜中、大声でわめく声が聞こえました。何を話しているのか、何人いたのかはわかりませんけど……」

 と振り返る。

「私の知人が事件当日の午前5時ごろ、辻村さんを見かけたので、“どこに行くの?”と聞くと、“サチのところに乗り込むんだ”と息巻いていたそうですよ。お金を返してもらうために辻村さんは何度も男性のアパートを訪ね、もめていました」(前出・女性店主)

 という証言から、金銭トラブルのにおいが立ち込める。親切心から自宅に住まわせたことが、命を奪われるきっかけになってしまった。

 恩を仇で返す形で終止符が打たれた。