小島よしおの鉄板ギャグ「そんなの関係ねぇ!」は先輩に連れられていったクラブで話がスベったことから生まれ、「ダイジョウブーダイジョウブー!」はネタを周りの芸人に見せて心配されたことで生まれた。

 最近の一押しギャグは「じょじょじょじょじょ!」。孔子の言葉「恕(じょ)」が好きで「思いやり」の意味を表したギャグだという。

「旅先で曲を作るヨーロッパの作曲家の気持ちがわかりますね」

 多くのギャグが、自分が置かれた状況や言葉が具現化されることで生まれている。

「おっぱっぴー」のポーズを披露した小島よしお(筆者撮影)/東洋経済オンライン
「おっぱっぴー」のポーズを披露した小島よしお(筆者撮影)/東洋経済オンライン
【写真】公園でカラダを使って子どもたちに読み聞かせをする、よしお

 テレビ出演が減り、自分自身を模索する中で、鉄板ネタである「そんなの関係ねぇ!」を本気でやらなくなった時期もあった。新ネタをやっても、まったくウケなくなった。

 いったん原点に戻り、2015年の単独ライブで「そんなの関係ねぇ!」を全力で披露したところ、手応えを感じた。

「あらためて『そんなの関係ねぇ!』と正面から向き合い、自分にしかない武器を磨き直すようになった。職人のようにつねに精進です」

 勢いに乗った小島よしおは、ピン芸人日本一を決める2016年のR-1グランプリで「そんなの関係ねぇ!」を中心としたコジマリオネットのネタを披露し、準優勝になった。

 同時に、「同じことをやり続けるパワーを持つ大切さ」に気がついたそうだ。

「新しいことにもチャレンジしながら、オールドタイプな部分もしっかりとやる。裸に海パンがトレードマークの『そんなの関係ねぇ!』を一生やり続けるために、筋トレと走り込みをして肉体を維持しています」

僕は雑草をお手本にしています

 小島よしおは芸人としての自分を「雑草」にたとえる。

「雑草って、実は強い生き物ではなくて、競争力が弱いからライバルの植物がいない所を探して生えていくんですって。だから最終的にコンクリートとか、ほかに誰もいない所で育つ。僕もそんなイメージですよね。雑草をお手本にしています」と話し、こう続ける。

「みんながやらないことがつねに頭の中にあって、ライバルが少ない場所を探し続けています。インパクトがあるギャグがあっても、僕は弱い存在だから競争力がない」と、謙虚な一面も見せた。