解剖モノが多すぎる

折原 漫画原作で残念だったのが石原さとみ主演の『Heaven?〜ご苦楽レストラン〜』(TBS系)。レストランものは好きなので楽しみにしていたのに、ウエーター役の志尊淳のおバカキャラが嫌。同じような役ばかりやらせないでほしい。そして、店内にトイレがないなんて言語道断。気分が下がると塩味が薄くなる段田安則演じるシェフもありえない。

わがままキャラ連投の石原さとみ(右)、志尊淳
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上田 ディテールにウソ臭さがあると、見る気になれない。あと、生き霊が現れる場面もハズしている。漫画表現を実写でやって失敗した例。

なかはら 漫画原作ならいけると思ったのかも。石原は去年の『高嶺の花』(日本テレビ系)に続いて2作品連続して似たような高飛車な役。

折原 どうせ『ドクターX』の役者さんをいっぱい使うなら、主役は米倉涼子のほうが、よかったんじゃない?

上田なかはら 同感!

折原 上野樹里主演の『監察医 朝顔』(フジテレビ系)は、月9にしては、すごいしっとりしていて好きです。

なかはら 私も。でも解剖モノが多すぎるかな。(真相解明の)からくりがわかってきちゃっている。

朝ドラにも出演する山口智子(左)と朝顔役を演じる上野樹里

上田 解剖医が謎解きまで一生懸命やるのは無理があるようにも見える。その一方で、生活感がちゃんと描かれているところは新しい。食事シーンとか、家のセットもいい。

なかはら 山口智子演じる茶子先生と『なつぞら』のおでん屋「風車」の女将・亜矢美のキャラが一緒に見える。

上田 最近(ドラマに)よく出てるので、唐沢寿明と離婚するんじゃない(笑)。

折原 大泉洋主演の日曜劇場『ノーサイド・ゲーム』(TBS系)も、さすがの池井戸クオリティーで面白い。

上田 ラグビーに興味はわかないし、ルールものみ込めないけど、ドラマのセリフと音楽と映像で感動する。ただ、日曜劇場としてはキャスティングが弱いかな。

折原 ラグビー監督の大谷亮平はいいと思う。キャプテン役の高橋光臣がいい身体していると思ったら、ラグビー経験者だったんですね。温厚なマッチョに萌えます!

池井戸ドラマ出演者(左から)上川隆也、大谷亮平、大泉洋、松たか子、眞栄田郷敦

上田 ラグビー熱は上がらないけど、ニュージーランド帰り役で出演する眞栄田郷敦(父・千葉真一、兄・新田真剣佑)の活躍が楽しみ。上川隆也の悪役も意外といい。

なかはら 大泉洋の妻を演じる松たか子は、松でなくてもいいんじゃない? というくらい出番が少ない。でも、池井戸作品は奥さん役が、いい女優さんですよね。

上田 初回に米津玄師の主題歌がエンディングでいきなり流れたときは驚いた。放送前にもっと告知したほうが話題になったんじゃないかな。

──『トクサツガガガ』や『腐女子、うっかりゲイに告る。』など、“攻めの作品”で目立つNHKの今期は『だから私は推しました』。

NHKドラマに出演する左から多部未華子、白石聖、桜井ユキ

なかはら 生きづらさを抱えたアラサーOL(桜井ユキ)が、地下アイドル(白石聖)を推すことで変わっていく。漫画家で“オタ”は多い。私もそのひとり。チェキ券や握手券を買う。いつも見ている光景をドラマにされて、いたたまれない。

折原 リアルなんだ。『トクサツ〜』でも思ったけど、そんなに“オタ”って言っちゃいけないことなのかな?

上田 漫画を描いてるオタクだとバレたくないので、自分が漫画家だと幼稚園のママさんたちには言えない。

なかはら 会社員だと言えないのかな。私は別コミュニティーがないので隠す必要もないし、その感覚はわからない。ドラマは“オバはん”を主人公にした設定や、たたみかける脚本力が、すごい。“推し”とかけた“押し”た理由が何だったのか気になります。

上田 私も森下佳子さんの脚本なので見始めたらハマった。いきなり取り調べのシーンで、サスペンスタッチだったのも衝撃的でした。NHKではほかに多部未華子の『これは経費で落ちません!』が面白くて、おすすめです。