その後、グループを離れソロ活動をスタートさせるが、ほどなく俳優の道をすすめられる。「いま思えばいい経験だった。すごくしんどい時期でしたが」と当時を振り返る。

 昼間は派遣社員として働きながら夜は音楽活動を続け、週末は大学の勉強という生活を1年ほど続けた。人の倍以上、仕事をしたことで年間大賞をもらった。そこで「このままでいいのか」と足を止める。

 偶然の巡りあわせから、ふたたび『宇宙戦隊キュウレンジャー』で俳優に挑戦し、挿入歌を作詞・作曲し歌った。これまでにない戦隊キャラと人気となり、役としては2番手ながら主演映画も製作され、こちらでも主題歌、劇中歌も手がけた。これは戦隊モノ史上初のこと。

「本当に愛していただいたなと思います。一緒にキュウレンジャーを演じたメンバーもしょっちゅう家に来ますし、プロデューサーさんは今でもライブに駆けつけてくれて。家族みたいな存在ですね」

 昨年12月にメジャーデビュー。大きな花を咲かせる足固めは着実に整っている。

「そんなに甘くないことはわかっています。僕、もう芸能界に10年いますから。吉沢亮がいまの注目を集めるようになるまで、何十作品という、僕とは比べものにならないくらいの数々の現場でいろいろな方と仕事をして、みなさんから愛されてきた。そういう意味で、まだまだ現場が足りていないということはわかっていますから。なので、30歳になったときにひとり立ちできたらいいなと思っています」

岸洋佑(2019年9月) 撮影/佐藤靖彦
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明確な夢と目標

 後悔だけはしたくないと未来を冷静に見つめる26歳は、どこまでも謙虚。では、30歳で見たい光景がどんなものなのか聞くと、

武道館に立っていたいです。達成したときに自分がどう思うかが楽しみで。そのまま岸洋佑として音楽をやり続けるのか、裏方も大好きなので、誰かをプロデュースしてライブを作りたいと思っているのか。

 いまの目標をわかりやすく言うと滝沢秀明さんです。タッキーも急に裏方を始めたわけではなくて、プレイングマネージャーだった時期がありますよね。母がタッキー&翼のファンで、生まれて初めて行ったライブがタッキーのライブでした。そうそう、高校の同級生にSnow Manの岩本照がいて。照って滝沢演舞場一派だったので、“(前進のユニット)Mis Snow Manの岩本じゃん、母ちゃんが大ファンだよ”って言ったら喜んでくれて。そのあと、何回か公演を見に行きました(笑)

 リリースしたミニアルバムを引っさげたライブを10月に名古屋で、11月に大阪と東京で行う。企画、演出は岸。収録の5曲をそれぞれ擬人化し、THE ONEMEN’S(ジ・ワンマンズ)という5人組のアーティストが魅せるステージになるのだそう。

 そして、10月から生ワイド番組『みらいブンカ village 岸洋佑のスタートアップ』(金曜・19時〜21時)が文化放送よりオンエアされる。12月にはホリエモンが提案する掟破りのミュージカル『クリスマスキャロル』への出演も決定。目標のタッキーにまた一歩近づいていく。