ステージアラウンド版には反対派だった

 ステージアラウンド版ということで、特別な観劇体験ができそう。

正直、これをステージアラウンドでやるって聞いたときは反対派だったんです。普通の舞台の上で、もう芸術性が高い名作として仕上がっているのに“何をそんな回す必要があるんだ?”と思って。

 でも、オリジナル・クリエイティブ(来日)版を見せてもらったら、そんなことを思っていた自分が恥ずかしくなりました。客席が360度回るという劇場の機構と、伝説的ミュージカルの空気感が、とても面白い形でリンクしていたんです! 

小野田龍之介 撮影/山田千絵
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 映画でしか見られなかったマンハッタンの街並みと、舞台でしか感じられない若者たちの躍動感や人間ドラマが、スムーズなシーン転換のおかげでお互いを引き立て合っていて。“そうか、こういうことだったんだ!”と、すごく腑に落ちました

 歌唱力の高さに定評のある小野田さんを“歌の人”と認識しているミュージカルファンは多いと思われるけれど、もともとはダンスがスタートだった。

「幼いころからダンスを始め、ディズニーランドのダンサーかNHKの“体操のお兄さん”になりたいと思っていました。ディズニーランドで踊って遊んでいたときダンススタジオの方から声をかけていただいて。それがデビューにつながったんです

 9歳でミュージカルの舞台に立ち、子役から若手実力派に見事、転身。“歌の人”という認識は、『エリザベート』の作曲家、シルヴェスター・リーヴァイ主催のコンクールで賞をとってから。

 近年は『ミス・サイゴン』や『レ・ミゼラブル』などで安定した実力を誇るだけに自信に満ちたキャラかと思いきや、意外にも謙虚で、ちょっと怖がりな一面が顔を覗かせる