AIなら“生まれ変わり”が可能

 それでも韓国の研究所には、日本を含む世界中から“注文”がくる。この研究所では、'06年から1000匹以上の犬のクローンをつくり続けているという。将来、日本でもこのビジネスは確立するのだろうか?

「韓国や中国でクローンをつくった人がどれくらい満足するか、によるでしょう。ビジネスだから、クローンを行う側はうまくいった人の話でPRするわけです。ペットロスで苦しんでいるお金持ちの気持ちをくすぐって、商売しようと。

 何回も言いますが、生まれ変わりではなく、別の犬なんです。僕は日本ではあまり流行らないと思います。クローンをつくってもがっかりすることのほうが多いと思いますから

 そして、どうしても死んだ犬が忘れられないという人には、

「ミックス犬だと難しいけど、僕なら可愛がっていた犬と同じ犬種を飼います。品種改良してできた犬種なら、純血であればあるほどクローンみたいなものですから。

 あとは、死んでしまった子の兄弟たちの子どもを連れてくる。クローンというより家系ですね。ブリーダーに次に子どもが生まれたら譲ってください、とお願いしておく。かなり似た子に出会えると思います」

 そして“究極”の方法としてこんなことも……。

AIを搭載したロボット犬。人間の姿をしたロボット、ヒューマノイドの研究も進んでいますので、生身の犬と姿形が変わらないロボット犬も30~40年したら出てくるでしょう。

 AIなら死んでしまった犬の情報を細かくインプットしていけば、限りなく近づいていきますし、個体が壊れても、それこそ“生まれ変わり”が可能ですから。クローン技術で命を弄ぶより、どれだけ健全かと思います」


《PROFILE》
池田清彦さん ◎生物学者、評論家。早稲田大学名誉教授、山梨大学名誉教授。『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ系)のコメンテーターも務める