学生長距離界ナンバーワン。東洋大の相澤晃選手
学生長距離界ナンバーワン。東洋大の相澤晃選手
【写真】碓井さんに「特別に強い」と言わしめる東洋大ホープの相澤晃選手

 4強であろうとブレーキがあれば、簡単に下位に沈む戦国駅伝。4強以外の注目校は?

往路優勝を狙っているのは、國學院大。前回大会では往路3位、出雲は優勝しています。前回5区で区間新記録を樹立した浦野雄平選手(4年)と土方英和選手(4年)のWエースが光ります」(碓井さん)

「帝京大はなんだかんだ地味に強い位置にいる。大エースはいなくても毎年、4年生がきっちり結果を出しています」(和田さん)

 では、気になるレース展開は?

「芦ノ湖に到着するまでに、少なくとも先頭が4、5回は変わると思います」(和田さん)

「往路での独走はない。全体的なタイム差も少ないでしょう。勝負区間は6区。ここで先頭に立てれば、優勝が近づくのでは」(碓井さん)

復路名物! 白熱のシード権争い

 10位以内に入れば、次回大会にも出場できる。今大会は、もちろんシード権争いも熾烈だ。

予選会トップの東京国際大は、初のシードを獲得するのでは? 1区に留学生のヴィンセント選手(1年)、2区にエース・伊藤達彦選手(4年)で弾みをつけるでしょう。早稲田大は予選会9位のスレスレ通過でしたが、全日本は6位と健闘。中谷雄飛選手(2年)ら走るべき選手が走れば大丈夫でしょう。順天堂大も危ないかと思いきや、よく走っています」(碓井さん)

 一方、シードを手放すおそれがあるのは拓殖大、法政大、中央学院大だという。

「拓殖大は前回1区を走った赤崎暁選手(4年)と留学生レメティキ選手(1年)がいますが、3番手以降が続かない。法政大は、坂東悠汰さん(富士通)が卒業して戦力ダウン。中央学院大は故障者が多いのが心配です」(碓井さん)

 また、今大会には筑波大が26年ぶりに帰ってくる。

「何といっても第1回大会の優勝校(※当時は東京高等師範学校)。襷が最後までつながるよう応援したいです」

 と、和田さん。そして、最後をこう締めくくった。

「いろいろ言いましたけど、たぶん当たらないと思いますよ(笑)。前回は“なんだかんだ青山学院大だろう”という大方の予想に反し、東海大が優勝した。本当に何が起きるかわからないのが箱根駅伝。予想の範疇なんかにおさまらないんです。そうやって裏切られるから、また面白い」

 ちょうど100年前(1920年)に始まった箱根駅伝。節目の年のゴールテープを最初に切る大学は、はたして──。


【PROFILE】
碓井哲雄さん ◎箱根駅伝は3度出場し、中央大の6連覇に貢献。中大コーチ、本田技研工業監督などを経て、現在は神奈川工科大陸上競技部監督。箱根駅伝のテレビ解説を務めて26年

和田正人さん ◎日本大で箱根駅伝に2度出場。4年時は主将。NEC陸上部を経て俳優に。1月4、5日放送のスペシャルドラマ『教場』(フジテレビ系)に出演