芸能人が逮捕されるたびに耳にする“保釈金”。数億円を超える人もいれば数百万円の人も。今まででいちばん高額を払ったのは? そもそも金額の設定は誰がしているの? 有名人が払った保釈額とともに保釈金について徹底解説!

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ゴーンは保釈金15億円、逃亡に約22億円

「牛肉偽装事件('04年)の元ハンナン会長の20億円が保釈金の史上最高額ですが、有名人に限れば、カルロス・ゴーン氏(65)の15億円でしょう。最近だと、ほとんどの芸能人は300万円前後です」(司法関係者)

 芸能人逮捕のニュースでよく耳にする“保釈金”だが、そもそも保釈ってなに?

 アディーレ法律事務所の長井健一弁護士によると、

「保釈とは、勾留されている被告を起訴後に釈放する手続きのことです。わかりやすく言うと、保釈金とは犯人と疑われている人が、裁判が終わるまでの間、家に帰ってもいいかわりに、裁判所に預けるお金のことです」

 15億円と300万円とではかなり差があるが、保釈金の金額はどのように決まるのだろうか。

「人によって経済状況が違いますから、額が違うのもそのためです。犯罪の内容や情状、持っている財産を考慮して、裁判所が保証金の額を決めます。一般的な相場は200万円から300万円です」(長井弁護士、以下同)

“保釈金は年収の半分”という説はウソだった!

 ところで、勾留中にどうやって保釈金を納めるの?

「弁護士が裁判所に納めます。また、保釈金が決まる際に、保釈金を準備できる額に収まるよう弁護士側が交渉します。保釈金を貸してくれる会社もあるんですよ」

 それでも払えない場合は?

「裁判所から保釈の決定が出ても、家に帰れず身体拘束から解放されません」

 '15年に覚せい剤で逮捕された小向美奈子は、保釈金の200万円が当初払えずに一時、保釈されなかった、芸能人としては珍しいケース。

 支払われた保釈金は、裁判が終了し判決が下されると、有罪・無罪にかかわらず返還される。しかし、カルロス・ゴーンのように逃亡した場合は返還されず、没収され国庫に入る。ちなみに没収された15億円は過去最高額。

「ゴーン被告に関して昨年3月~4月の保釈決定前、東京地検は再三“数十億円の保釈保証金では逃亡の抑止にならない”と東京地裁に伝えていたといいます。結果は検察の言うとおりでしたね。逃亡にも約22億円かけたといわれています」(全国紙社会部記者)

 世に放たれたゴーンは無罪を訴え、レバノンへ。次のページではランキング一覧と、ランクインした面々の発言や保釈金に関する豆知識を多数、紹介していく。