人生100歳時代が迫っています。でも、ただ長く生きていればいいわけではありません。健康で長生きして、衰えることなく、若々しくきれいでいたいもの。そこで食文化史研究家の永山久夫先生に、歴史上の美女・賢女たちは何を食べていたのかを教えてもらいました。私たちでも、今日から食べることができるものばかりです。さっそく、今晩のごはんに取り入れましょう!

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 女子力が落ちてきたと感じるのは、何歳くらいなのか。お肌の曲がり角は25~28歳ころ脳の機能低下は40歳ころからだと言われている。しかし、そう簡単に老化の坂を転げ落ちるのは絶対に嫌! 50歳になっても、60歳になっても、70歳になっても、私の人生は、まだまだこれから。

「焦らなくても大丈夫。昔の人が食べていたような自然のままの食べ物には、量の多い少ないはあれ、薬効成分が含まれています。卑弥呼や小野小町たちの食の知恵を学んで、みなさんも、生涯現役の魅力的な女性になってください」(永山先生)

生涯現役を貫いた、女王・卑弥呼

 歴史の本に登場する最初の女性が卑弥呼。その当時、日本は大小百か国あまりに分かれていたが、その中の邪馬台国の女王であり、周辺連合国の王であり、神事なども行うシャーマン(巫女)でもあり、その予言能力の高さで、信頼されていた。

 女王になったのが12歳前後で、死亡したのが90歳前後と見られている。びっくりするくらい長生きだ。老女になっても王位についていた。今流に言えば「生涯現役」を貫いたわけだ。

「卑弥呼だけではないんですね。中国の歴史書には『その土地(邪馬台国)の人たちは長生きで、あるいは百年、あるいは80~90年』とあり、みんな長生きだったことがわかります」(永山先生。以下「」は永山先生)

 今から1800年以上も前に、なぜ、そんなに長生きができたのか。

「その歴史書に『冬も夏も生菜を食う』とあり、1年中、野菜を食べていたことがわかります。現代の長寿者の食生活を見てみると、1年中よく野菜を食べてます。『その人がどのくらい長生きできるかは、その人の食べる野菜の量によって決まる』という有名な説がありますが、卑弥呼周辺からもこの説が当たっていることがわかりますね」

 以下の栄養素のほかに、ミネラルも含まれる野菜は長寿食であることがよくわかる。卑弥呼も体験的に身体によいことは知っていたのであろう。


【野菜長生き説の理由】
1.野菜にはビタミンCが多く、風邪などの感染症に対する抵抗力が強くなる
2.
野菜に豊富な繊維質は、腸内細菌の善玉菌を増やし、老化を抑える働きがある
3.
野菜のカロテンは、身体の中に入るとビタミンAになり、がんを予防するなどのパワーを発揮する
4.
野菜をあまりとらない人は、たっぷりとっている人に比べ、がんの発生率が2倍も高くなる
5.カロテン
には若返り効果もあり、緑黄色野菜(ホウレンソウ、ニンジン、カボチャなど)をとっていると、10~15年は老化が遅れる
6.
野菜には高血圧や動脈硬化などによる血行障害の発生を抑制する作用がある
7.
脳血管疾患の抑制や血圧の安定、脳の機能向上、老化防止など長寿に関係する多価不飽和脂肪酸のリノール酸も豊富に含まれている