悩む作品は嫌いじゃない

 今回挑む『ヘンリー八世』の台本を読んで、現代劇に近い感じがしたという。

「王の周りにいる人たちの人間らしさ、欲望や汚い部分の描かれ方が、現代に通じるところがあって、すごく面白いと思いました。僕が演じるトマス・クランマーは王の腹心で、すごく王に気に入られていて、知性もあって、自分に正直で純粋な人間だと思います。なので僕自身も、自分に正直に純粋に演じたいです」

 ヘンリー八世を演じる阿部寛との初共演については、

「とても楽しみです。僕が何をどうやっても、たぶん全部受け止めてくださる大きな方なので、思いきりぶつかっていきます。

 クランマーが王に気に入られているのは、王に対してちゃんと説得力を持って話せているからだと思うので、王との会話を阿部さんとのお芝居のときに、説得力を持って演じられるようにしたいです。

 間違いなく、僕の役者人生で大事な作品になると思います。今までで最大の壁ですが、それに挑戦できることに幸せを感じています」

 '14年に、所属事務所のオーディションを友達と一緒に受けたのがきっかけで芸能界入り。'15年に、ドラマで俳優デビューし、多くのドラマ、映画に出演。昨年は、前出のドラマ『腐女子、うっかりゲイに告る。』で、難しい役どころを好演し、高い評価を得た。

「俳優になるとは思ってもいなかったですが、今は芝居がとても面白いです。本当は悩みたくないタイプなのですが、悩むことになる作品や役柄は嫌いではないです(笑)」