長谷川博己が主演を務めるNHK大河ドラマ麒麟がくる』の平均視聴率が、初回から3週連続で16%超えと好調をキープしている。

 人気脚本家の池端俊策氏が手がけたオリジナル脚本とあって、透明感と緊張感を漂わせる長谷川版・明智光秀や、美濃の蝮(まむし)・斎藤道三役の本木雅弘の怪演などが際立ち、放送中もSNSでは関連ワードがトレンド入りするほどだ。

川口春奈が「中腰での重心の置き方」を教わる人物は

 沢尻エリカの降板により、急きょ抜擢(ばってき)された川口春奈も初回から登場し、織田信長の正室・帰蝶(濃姫)役を好演している。

大河ドラマの撮影に入って約2か月ですが、もう最初からそこにいたのかと思わせるような存在感で、現場になじんでいます」(NHK関係者)

 川口にとっては初めての大河ドラマかつ、初の時代劇。さらに、2週間足らずでセリフ覚えから衣装合わせや顔合わせ、本読みまでこなすのは、相当なプレッシャーだったという。

「特に心配されていたのが時代劇の所作。衣装を着たときの歩き方、手の使い方、裾さばきなどは、一朝一夕で習得できるものではありません。川口さんも言葉づかいや言い回しのほか、これらの所作にはまだまだ慣れないそうで、本番前には何度も入念に確認をしています」(同前)

 苦労する川口に、現場でアドバイスをするのが檀れいだという。檀が演じるのは織田信秀(高橋克典)の継室・土田御前。信長(染谷将太)と信勝(木村了)の生母でありながら、信長を疎んじ信勝を溺愛していたといわれる役どころだ。

「帰蝶は政略結婚で、のちに信長の正妻になりますから、土田御前から見れば“息子の嫁”という立場です。まあ役どころとは関係なく、檀さんはご自身も時代劇の所作で苦しまれた経験があるので、中腰での重心の置き方などをさりげなく伝えているそうです」(テレビ誌ライター)

 檀といえば元宝塚の娘役トップで退団後はドラマ、映画、舞台に引っ張りだこだ。その檀が退団後からずっと修業したのが日本舞踊・花柳流。'18年には名取となり、「花柳萩蝶」として演目『藤娘』も披露した。

「日本舞踊の動きでいちばん大切なのは、指の先まで神経をつかうことだと言われています。時代劇でも指先や手の動かし方がとても難しく、手を開いたときに指が離れてはいけないなど、所作が細かいそうです。これらは日常的に意識しないとなかなか身につかないそうで、川口にも、そんなふうにアドバイスをしているみたいですよ」(同前)

 乗馬の経験もなかったという川口だが、颯爽(さっそう)と馬にまたがり駆け抜ける姿は堂に入っていて、所作の不安も杞憂(きゆう)に終わりそうだ。

(取材・文/小窪 誠子)