「(鈴木)拡樹くんはバディみたいな感じ」

 続いて出演するのは、映画と演劇の連動プロジェクト『東映ムビ×ステ』の第2弾。5月に映画『死神遣いの事件帖─傀儡夜曲─』が公開され、夏に上演の舞台『死神遣いの事件帖─鎮魂侠曲─』では主演を務める。

「台本を読んで、率直に死神の描かれ方が面白いと思いました。これこそ映画を見て舞台を見てほしいです。時代劇で両方とも殺陣が見どころですが、映像だと立体的に見られるし、舞台では音や呼吸を生の迫力で味わえる、違った魅力があるので。

 あと映画版で注目してほしいのが、主演の(鈴木)拡樹くん演じる探偵の久坂幻士郎が、死神を封じ込めている人形を腕に抱えている姿。萌えポイントです。声を大にして言いたいですけど、かわいい(笑)。

 拡樹くんとは今回で4回目の共演なので、安心感を通り越してバディのような感じです。真冬の京都での撮影だったので、スタッフの方が味噌汁を用意してくださって、空き時間に2人で一緒にストーブの前で飲んだんですけど、縁側のおじいちゃんみたいになってました(笑)

 映画からつながる舞台は、崎山さん演じる吉原遊郭の惣名主の息子で侠客のリーダー庄司新之助が主人公。正義感が強く、やり抜く信念のあるところに共感すると語る。

「映画では描かれていない新之助の生い立ちや人間的な部分を、もう少し詳しく演じられたらいいなと思います」

 昨年11月に30歳を迎えて感じる変化は─。

寝ても疲れがとれない(笑)。でも、30代の仲間入りしたんだなって気がしてうれしいんですけどね。決して僕は悲観的にはとらえていないですよ(笑)

 30代をどう過ごしたいか尋ねると、

「時間を有効に使いたいです。仕事もプライベートも、今までは気づいたら1年終わっていたっていう過ごし方をしてきたので。今年からは、自分のやりたいことに向けての準備をしていきたいと思っています。乗馬を習ったり、今後の仕事に活かせるようなスキルを身につけていきたいですね。プライベートでは、ニューヨークに行きたい。ブロードウェイでいろいろな舞台を見たいんです。今年中に行くのが目標かな」

 料理上手で知られる崎山さんだが、多忙な現在も変わらず自炊派。

「昨日も作りました。自分の作る料理を食べたほうが、健康でいられる気がする。昨年の夏から身体を鍛えていて、夜だけ炭水化物を抜いているので、最近は鶏むね肉をどう料理するのかを常に考えてます

 心身をリフレッシュさせるのは、趣味でもある神社巡りだそうで、

「今年も1月に日本橋の七福神巡りをしてきました。お参りをすると自分をリセットできるというか、軸になっているかもしれないですね

 仕事が面白くてしかたない30歳の挑戦の舞台、見逃せないです!

さきやま・つばさ 1989年11月3日、千葉県出身。2014年、舞台で俳優デビュー。舞台を中心にドラマ、映画等で幅広く活躍。舞台『ワケあって火星に住みました~エラバレシ4ニン~』(東京公演:5月16日~24日/大阪公演:5月30日~31日)に出演。DVD&Blu-ray『Flow*er~TSUBASA SAKIYAMA LIVE&TRIP MOVIE~』が3月25日発売。

東映ムビ×ステ第2弾『死神遣いの事件帖』

映画と舞台を連動させるプロジェクトの第2弾。物語の舞台は江戸。映画版の主人公は、市中で探偵業を営む久坂幻士郎(鈴木拡樹)。死神・十蘭(安井謙太郎)と契約関係にあり死神遣いでもある久坂が、吉原の遊女連続殺人事件の解決に挑む。物語を引き継ぐ舞台版では、吉原遊郭の惣名主の息子で侠客のリーダー庄司新之助(崎山つばさ)と死神・十蘭が大暴れする。映画『死神遣いの事件帖─傀儡夜曲─』出演:安井謙太郎、鈴木拡樹、崎山つばさ ほか。2020年5月29日公開。舞台『死神遣いの事件帖─鎮魂侠曲─』出演:崎山つばさ、安井謙太郎 ほか。2020年7・8月上演。【公式HP】http://shinitsuka.com/

取材・文/井ノ口裕子