「緊急事態宣言の期間である5月6日まで、絶対に撮影しないようにとお達しが出ています」(テレビ局関係者)

 4月16日、政府は新型コロナウイルスが東京など7つの都府県以外でも感染が広がっていることから、対象地域を全国に拡大することを正式に決めた。それに伴い、当初は4月中旬までの撮影休止を発表していたテレビ局も、ドラマやバラエティー番組のロケ・スタジオ収録の見合わせ期間を延長するという。

 放送スタート日がいまだに決まらないドラマも多い中で、月9ドラマ『SUITS/スーツ2』(フジテレビ系)や『美食探偵』(日本テレビ系)などは、当初の予定どおり放送することができた。

『スーツ2』は大物俳優が顔をそろえるとあり、かなり余裕を持ったスケジュールで進めていたので、それが功を奏した形です。『美食探偵』は主演の中村倫也さんが6月から7月にかけて舞台に出演予定だったため、1月中旬に早々とクランクインしていました」(テレビ誌編集者)

後編は数年後になる可能性も

 順調にいっている作品もある中で、特に影響を受けてしまったのがTBS。今春放送予定だったドラマ『半沢直樹』『私の家政夫ナギサさん』『MIU404』の3作品は、いまだに初回放送日が決まっていない。

最近は働き方改革などで前倒しで撮影する作品も増えていますが、運悪く今回の春ドラマ3作品のクランクインは2月下旬から3月上旬。最初からあまり余裕のないスケジュールで進められており、撮影休止期間が延期されたことで、現場からは悲鳴が上がっています」(TBS関係者)

 7年前に社会現象を巻き起こし、大きな期待を集めていた令和版『半沢直樹』は、局が休止を発表する前にも撮影がストップしていたという。

2月23日にクランクインしたものの、実は3月1日から1週間ほど撮影が休止になっていたんです。中学校などでロケの予定でしたが、2月27日に全国の小・中・高に一斉休校が要請されたこともあり、使用予定だったロケ先から急きょNGが出てしまったとか」(芸能プロ関係者)

 4月2日に、週刊女性は都内でロケをしている様子を目撃しているが、その翌日を最後に再び撮影が休止に。

「池井戸潤さんの原作『ロスジェネの逆襲』と『銀翼のイカロス』を5話ずつ描く予定でした。しかし決まっているだけでも1か月以上、撮影がストップ。また5月7日以降に撮影が再開できるかもわからない状態。話数を減らすなどさまざまな案が出ているようです」(テレビ誌編集者)

 5月7日から撮影が再開できれば、放送時期を7月までずらすことで短縮せずに放送できるようだ。

「今夏のドラマは放送期間が東京オリンピックと重なっていたため、通常10話程度のものを8話目安と放送回数が少なく設定されているものが多い。キャストのスケジュール次第ですが、オリンピックも延期になったので『半沢直樹』を7月中旬まで放送し、次のクールで放送予定の『ドラゴン桜2』を8月から始めても編成上は問題ないと思います。あれだけ世間から注目を集めた作品の続編ですから、スタッフとしても台本は極力削りたくないはず」(前出・芸能プロ関係者)

 しかし、そんな制作陣の熱意に水を差すような声が他局から上がり始めている。

「4月17日に、日テレからドラマ・バラエティーの収録が無期限延期になったと関係者に通達がありました。他局もそれに続く形になりそうなので、TBSも5月7日からの再開は厳しいでしょう」(制作会社ディレクター)

 仮に撮影が再開されても、決行は難しいのでは……という声も上がっている。

使用予定の施設から“コロナが終息するまでは貸し出しできない”と言われることも多く、みんな頭を抱えています。新しいロケ地選びから始めるとなると、スケジュール的にもう限界ですよ」(前出・TBS関係者)

 このまま撮影ができなければ、お蔵入りの可能性も。

延期期間にもよりますが、前編の5話だけ放送して、俳優のスケジュールをもう1度組み直し、後編を数年後に放送する……という方向も考えているようです。現状、2話分しか撮れていないそうなので、TBSでも撮影の無期限延期が決まってしまったら、オンエアは厳しいでしょう」(同・TBS関係者)

 撮影休止期間がさらに延期された場合、お蔵入りの可能性もあるかをTBSに聞くと、

「今後の撮影や代替番組を含め、現段階では何も決まっておりません。放送日も含めて決定次第、正式発表させていただきます」

 ドラマのパワーで、元気を与えてほしいけど……。