『はなまるマーケット』(TBS系)の司会などでおなじみだった女優、岡江久美子さんが23日、63歳という若さで新型コロナウイルス感染による肺炎のため死去した。感染がいっさい公表されていなかったため、驚きは業界のみならず、日本中にまでに及んでいる。

 所属事務所が発表したコメントによると、岡江さんは3日に発熱、6日に容体が急変して即入院。人工呼吸器を装着し、その後『PCR検査』でコロナ陽性と判明した。昨年末に初期の乳がんで手術し、今年1月末から2月半ばまで放射線治療を受けていたことから、免疫力が低下していたのが重症化した原因だったのではないかと推測されている──。

すべてを引っ張ってくれた方でした

 岡江さんは'91〜04年まで放送されていたドラマ『天までとどけ』(TBS系)で大家族の母親役を演じるなどホームドラマに欠かせない存在でもあった。最高視聴率は“昼ドラ”としては異例の19%を記録するなど、大ヒット作となる。

 同作のシリーズを通じ'99年までの8年間共演し、8男5女の大家族の長女・待子(まちこ)役を務めた女優の若林志穂は、この急な訃報に驚きを隠すことなく、涙ながらにこう語る。

さきほどニュースで知ったのですが、突然すぎて……。大変お世話になった方だったのでびっくりして。どうして岡江さんのことをコロナは連れていってしまったんだろう。……連れていかないでほしかった

 最後に若林が岡江さんと会ったのは'08年、脳挫傷でこの世を去った金杉太朗さん(三男・公平役)の葬式だったという。

「岡江さんは『天までとどけ』のすべてを引っ張ってくれた方でした。自分自身もどう岡江さんの死に向きあっていいかわからないです。ただただショックで、なんと言葉にしていいかわかりません……。(娘の)大和田美帆さんもドラマの撮影に遊びにきていただいて、お会いしたこともあるので……。どうか気を落とさずにこれから頑張って生きていってほしいです。お子さんもいらっしゃるので、どうかお子さんを大事に守ってくださいとお伝えください

 と流れる涙を隠そうともせず、言葉を詰まらせながら語った。

 いまだ収束の気配をみせない新型コロナウイルス。命を奪い去ったあとに残るのは抱えきれないほどの悲しみばかりだ──。