「免疫力がアップする」食事のコツ

 新型コロナウイルスの感染拡大が心配な今、ウイルスから身を守るために、毎日の食事で身体の免疫力をしっかり高めるポイントとは?

 免疫力とは細菌やウイルス、がんなどから身体を守ろうとする防御機能だが、その力は加齢やストレス、乱れた生活習慣により低下してしまう。特に新型栄養失調による栄養の偏りは、免疫力低下を招く大きな要因となるため、感染症が気になる今、食生活の見直しが不可欠。

「身体の免疫力を左右する免疫細胞の約7割は腸内にあるとも言われており、免疫力アップのためにはまず腸内環境を健やかに整えることが大前提となります。そのうえで、さらなる免疫力アップのためにおすすめの栄養素として提案したいのが、牡蠣や牛赤身肉などに多く含まれている亜鉛です」

 亜鉛は身体の成長に関わる重要なミネラルのひとつ。細胞の新陳代謝を促す働きがあることから、免疫細胞を活性化する効果が期待できる。

「貝類は亜鉛を多く含む食材の代表格。中でも牡蠣に最も多く含まれています。肉類だと牛赤身肉や豚レバーもおすすめです」

 またビタミンCには白血球を強化して免疫力を高め、抗ストレス効果もある。ストレスは免疫力の大敵。朝食やおやつなどに、ビタミンCが豊富な柑橘類を食べる習慣をつけて免疫力アップを目指そう。

【おすすめの食材はコレ!】
◎牡蠣……レモンやカボスを添えて吸収率アップ!

 牡蠣に含まれる亜鉛は身体に吸収されにくい栄養素。効率的に吸収させるためには、柑橘類など酸味のある食べ物に多く含まれるビタミンCやクエン酸と一緒に摂取するのがおすすめ。牡蠣フライには、レモンをしぼって食べる習慣を!

◎牛赤身肉……まいたけをのせておくと肉がやわらかく!
 牛肉を調理する際、下ゆでをすると栄養素が溶けだすので、煮汁ごと食べる工夫を。た、亜鉛がとれるけど固さが気になる赤身肉のステーキは、焼く前にまいたけをのせて3時間ほどおくとタンパク質分解酵素が肉をやわらかく仕上げる。

◎みかん……白いすじを取ると健康効果ダウン!
 みかんの房についている白いすじにはポリフェノールの一種であるビタミンPがたっぷり。免疫力アップに欠かせないビタミンCの吸収を高めてくれる働きがあり、取って食べるとみかんの健康効果が激減してしまう。

【善玉菌を増やす「発酵性食物繊維」】
 免疫力アップのために腸内環境を整えるには、善玉菌である乳酸菌と、善玉菌のエサになる食物繊維の摂取が不可欠。実はこの食物繊維にはいくつかの種類があり、免疫力アップのためには「発酵性食物繊維」が最も有効、と赤石先生。

「発酵食物繊維とは水溶性食物繊維の一種。善玉菌のエサとなり腸内で発酵することで短鎖脂肪酸を発生させ、身体の免疫機能を高めてくれる働きが」。

 発酵性食物繊維を多く含む食材は、大麦、ごぼう、キウイ、海藻類など。「大麦は雑穀米として食べたりスープに入れるなどして。キウイは皮ごと食べると食物繊維を効果的にとれるんですよ!」

(取材・文/中村明子)
資料:平均寿命(平成22年)は、厚生労働省「平成22年間全生命表」、健康寿命(平成22年)は、厚生労働科学研究費補助金「健康寿命における将来予測と生活習慣病対策の費用対効果に関する研究」より。[出典]厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会・次期国民健康づくり運動プラン策定専門委員会「健康日本21(第二次)の推進に関する健康資料」25ページ


赤石定典さん ◎東京慈恵会医科大学附属病院栄養部係長、管理栄養士。メディアへの出演も多く、芸能人の食生活などの指導を行うなど幅広く活躍。共著に『美肌、太らない、老けないは食べ方が9割』(PHP出版)など。

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