【原則1】
自分の年金を把握することが、老後資金の計画を立てる第1歩!

Q.ねんきん定期便って重要?

 自分の通帳にいくら預金されているか誰でも知っているのに、年金のこととなると、「複雑だから」とほとんどの人が面倒くさがってしまう。

「でも、自分はどれだけ年金が受け取れるのかを知ることは、老後資金の計画を立てるうえでとても重要です。まずはねんきん定期便を確認してください」(井戸さん)

 ねんきん定期便は公的年金の加入者に毎年誕生月に郵送で届く。

 まず確認すべきなのが『これまでの年金加入期間』。年金を受給するには10年(120か月)以上が必要なのだ。次に『これまでの加入実績に応じた年金額』。ここには将来もらえる年金額が記載されている。

 50歳以上であれば、『何歳から』『どの種類の年金が』『いくらもらえるか』を確認できる。ここまでわかれば、公的年金で足りない分を『じぶん年金』として準備していけばいいわけだ。

Q.本当に老後2000万円必要なの?

「慌てることはありません。確かに毎月約3万~5万円不足するケースが多いのですが、受け取る年金を増やす方法があります」(井戸さん)

 1つ目が収入を上げること。給料が高いほど年金も高くなるのだ。

 2つ目が定年後も働いて、70歳まで厚生年金に加入し続ければ、年金は増える。

 3つ目が年金を70歳から受け取る。受給開始を遅らせれば、年金額はアップする。

Q.パート勤務だけど、厚生年金に入れる?

「入れますよ」(井戸さん)

 パートであっても従業員数が501人以上で、年収が105万6000円以上であれば、厚生年金に加入することになっている。そして2022年10月からは、『101人以上』、’24年10月からは小規模の『51人以上』の会社にまで拡大して、厚生年金に加入できるようになる。パートでも厚生年金に加入できれば、年金受取額も増えることになる。

Q.離婚しても、夫の年金を受け取ることができる?

『離婚時の年金分割制度』といい、婚姻期間中の厚生年金の保険料は、夫婦共同のものであるとされる。妻が請求すれば、婚姻期間中の厚生年金記録の最大2分の1が妻に分割される。「ただし、婚姻期間中のみの分ですから、結婚生活が短かった人は、期待するほどの金額にならないかもしれません」(井戸さん)

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