キムタクがインスタにアップした服は、大げさな表現でなく“その瞬間”に相場が跳ね上がる。着ていたTシャツが、日本のフリマアプリでは当日倍になったり。すごいのは海外サイトにも波及していることで、海外の売買サイトでは当日に3倍になったものもあります。彼が好んで着ているのは、『シュプリーム』というアメリカのストリートブランドの服で、そのブランドは販売数を制限したりしているので、商品が値上がりしがちではあるんですけど、それ以上に“木村拓哉着用”は大きいですね。

 海外セレブが着て値段が上がることはありますが、日本の芸能人でそんなことが起こるのは本当に彼だけですね。だからと言ってはなんですが、キムタクのインスタは毎日のようにチェックしてますよ(笑)。仕入れた商品も“全部、インスタにあげてくれたらいいのに”って思ってます」(前出・バイヤーの男性)

キムタク着用で価格高騰

“芸能人着用”の付加価値について、前出の宇塚さんは、

「 “○○着用”という文言を使って商品を売ろうとするのは、最近でもよくあること。たとえば2000年代前半はまだまだファッション雑誌も元気でしたので、雑誌で身につけたものが高値で取り引きされるというケースがたくさんあった。松田翔太さんやオダギリジョーさん、スポーツ選手だったら中田英寿さんあたりが人気だった印象です。

 しかし、ファストファッションの流行などもあり、服にお金をかける若者がどんどん減った。ファッション雑誌も次々と無くなっています。そんな中で、今でも“着たら高くなる”のは本当に木村さんくらいでしょうね。ほかの日本の男性タレントさんが着て、昔のように高くなることはありえません」

 幅広い世代から注目されているのも、彼のすごさだろう。

「少しびっくりするのが“木村拓哉着用”を求めている人が、“当時”を知る30代〜40代だけでなく、20代もいることですね。いわゆるオッサンが“やっぱりキムタク、かっこいいなぁ”だけではない。木村さんが好きなブランドであるシュプリームは今、若者に大人気ですが、“キムタク世代”ではない彼らは、ブランドを通して“キムタク、かっこいいじゃん”になってるのかもしれませんね。

 ちょっとした例外として、韓流アイドルが着て、そのファンが飛びつくということもありますが、高騰することはないですね。彼らはパリコレに出るようなハイブランドを身につけることが多いですが、ハイブランドのファンたちはむしろ“着てくれるなよ”という人が多い。“木村拓哉着用”に飛びつく層とハイブランド好きの人はまったく異なり、“芸能人が着たものなんて恥ずかしい”と思いますからね(苦笑)」(宇塚さん)

 オロナミンCのCM出演は22年前、『HERO』も20年前のこと。その圧倒的な人気でさまざまな社会現象を巻き起こした彼も御年47歳。しかし、いまだにファッション界を牽引し、その人気は衰えぬどころかSNSで加速している――。