もうこれ以上、傷つきたくありません

 もうひとつの結婚できないタイプは、被害者意識が強い人です。

 婚活は、フッたりフラれたりの連続。お見合いをして自分から断ることもあれば、相手から断られることもあります。

 自分からフッたときはいいのですが、相手にフラれると急に自己否定に入り、自分がいかに傷ついたかを強調する人がいます。

 真純さん(41歳、仮名)は、婚活歴3年。お相手男性の年齢を年下かもしくは43歳までと決めています。年齢を狭めれば、当然お見合いは組みづらくなります。

 あまりにもお見合いが組めない状況に、こんなことを言いました。

「私の年齢は、婚活市場の中では不利だというのはわかっています。ただ、まだ最後のチャンスに子どもを産みたいですし、相手の男性の年齢には妥協はしたくないんです」

 真純さんは、バリキャリタイプで年収も700万円ありました。ならば、「男性の収入には固執せず、年齢だけは譲れない条件にしたらどうでしょうか?」とアドバイスしたのですが、彼女は、こう言いました。

「お金を稼ぐというのは、その人の能力だと思っています。なので、年収は私と同じか、それ以上の方でないと尊敬できません」

 お相手に望む条件が厳しいので、お見合いはなかなか成立しませんでした。

 そんなとき、同い年の男性、竜夫さん(仮名)とお見合いができて、仮交際に入りました。結婚相談所では、仮交際の時期はほかの方とお見合いをしてもいいですし、何人とお付き合いをしてもいいことになっています。

 41歳で1000万円近く年収があった竜夫さんは、おそらく真純さんだけでなく、ほかの女性ともお見合いし、お付き合いをしていたのでしょう。

 週末に「この日が空いているので、お会いしませんか?」と真純さんが打診しても、「もしかしたら、仕事になるかもしれないので、それが決まってからお返事しますね」という回答が来ることが多かったのです。

 勘のいい真純さんは、それが仕事ではなく、ほかの女性とのお見合いやデートだと考えたのです。

「前回のデートは、私が竜夫さんに合わせてスケジュールを調整しましたよね。今回は、私に合わせてくれませんか? その日が仕事なら、仕事終わりにどこかでお食事するのはいかがでしょうか?」

 そんなメールをいただいた竜夫さんは、真純さんに気の強さを感じ、今後お付き合いしてもうまくいかないだろうと判断して、“交際終了”を出してきました。

 竜夫さんから、“交際終了”がくると、真澄さんは言いました。

「付き合っているときから、平気で人を傷つけるような発言が目立ちました。断られてよかったです。それと、私は婚活を始めてから、もう十分に傷つきましたので、これを最後に婚活は卒業したいと思います」

 お相手からお断りされると、自分を否定されたような気持ちになります。ただ、断ったり、断られたりの連続が婚活なのです。そこでいちいち傷ついていたら、前に進めません。

 終わった交際には執着しない。ネガティブな発想にならない。傷ついた、傷つけられたという被害者意識を持たない。

 お見合いに向かうときは、ニュートラルな気持ちで、何があっても前向きな方向に転換していくことが大事です。

 結婚をできる人というのは、どういう人か? それは、婚活を諦めることなく、結婚できるまで候補者に会い続けた人なのですよ。


鎌田れい(かまた・れい)◎婚活ライター・仲人 雑誌や書籍などでライターとして活躍していた経験から、婚活事業に興味を持つ。生涯未婚率の低下と少子化の防止をテーマに、婚活ナビ・恋愛指南・結婚相談など幅広く活躍中。自らのお見合い経験を生かして結婚相談所を主宰する仲人でもある。公式サイト『最短結婚ナビ』http://www.saitankekkon.jp/