プライベートでは……結婚したい!

 彼女自身、後ろ向きの発言を控えることで、言葉によって助けられてきたという。

例えば“あの人のあんなところがイヤ”と思っていることを誰かに話してしまうと、感情が言葉で加速するというか、どんどん嫌いになったりするじゃないですか。逆に、“ちょっと気になる人”と言っていたら、いつの間にか好きになってしまった、なんて経験ありませんか?(笑)言葉にすることで気持ちの方向がそっちに向かってしまうというか

猪狩ともか
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 このことは夢にもあてはまる、と続ける。

「私、野球が大好きで、子どものころから西武ライオンズのファンだったんです。それで、アイドルになってからずっと“始球式をやりたい!”ってずっと言い続けていて。そうしたら2017年に叶(かな)ったんですよ。言葉というものは発していれば実現に近づいていくんだ、って」

 しかし、その言葉は使い方によって“薬”にもなれば“毒”にもなる。車椅子で活動を再開した彼女に、ネット上には「車椅子のおかげで有名になった」など心ない書き込みがーー。

タレントだから何を言ってもいい、人前に出ているんだからそれくらい覚悟しておけ、ということがあるんでしょうね。そういう人って言い返せば言い返すほど、さらに返してくるんですよ。ストレス発散みたいに思っているんでしょうね……

 バラエティー番組『テラスハウス』(フジテレビ系)での炎上で、出演していた木村花さんが自殺にまで追い込まれたケースもあった。

猪狩ともか

あのニュースが出たときは“誹謗中傷はよくない”というムードになったけど、アンジャッシュの渡部さんの一件が起こったら、みんなめちゃめちゃ叩いたじゃないですか。渡部さんに対してそこまで怒っていない人も、“みんなが言ってるからいいだろう”という便乗の心理もありますよね。ストレス発散のように思っている人もいるでしょうし。何も変わらないんだな、って思ってしまいました

 それでも言葉の持つ“言霊”は人の救いになると信じている。

本の中で“いつだって何度だって新しい人生は始められる”という言葉を紹介しました。私のように事故に遭うこともあるし、コロナ禍で職を失ってしまった人もいらっしゃると思います。何かがあって人生が変わってしまっても、人生は新しく始められるんですよ

 12月、猪狩はワンマンライブを行い、仮面女子を卒業する。そこから始まる新しい人生について、

車椅子に乗っているからこれしかできない、ではなくマルチなタレントとして活動したいです。ドラマやバラエテイーなどにも普通に出演したいです。あとプライベートでは……、結婚したい(笑)。アイドルを卒業しますし、もういい年ですから。お相手ですか? 面倒見のいい方がタイプです。私、末っ子でいろいろと面倒を見てもらって育ってきましたから。私の面倒、見ていただける方を見つけたいと思います(笑)


いがり・ともか 1991年12月9日生まれ。『仮面女子』メンバー。今年12月に『仮面女子』を卒業し、ソロ活動を開始する

取材・文/蒔田稔