テレビのレギュラー番組を失ったタレント、芸能プロダクションを辞めた歌手らが、ひとつの活路として手を伸ばすYouTube。

 ここ最近も、ジャニーズ事務所を退所した手越祐也(32)、タレントの石橋貴明(58)、華原朋美(46)といった、実績的にはビッグネームの面々が、その世界に飛び込んだが、

「テレビやライブなど実質的には露出するシーンがないため、いつでも自分の都合で露出できるYouTubeにすがっている形。広告収入で稼ぐことはできるが、ずっと話題を保ち続けなければならないのがYouTubeの宿命。言ってみれば、毎日レギュラーがあるようなものです。それに耐え続けるのは並大抵の戦略ではできない」

 そう指摘するのはITジャーナリストだ。いつでも誰でも進出できるオープンゲートな世界だが、そう甘くはない。

華原朋美の動画の質は逆効果

「手越さんの『手越チャンネル』は登録者数が150万人、石橋さんの『貴ちゃんねる』は130万人。100万の登録者数がいて、視聴してもらえれば、広告収入で月300~400万円稼げます」

 と前出・ITジャーナリスト。「ただし、クオリティーを保たないといけないのが、芸能人の宿命」と続ける。

「動画の質を見ればわかりますが、動画撮影や音声のプロ、動画編集のプロの手を経た動画がアップされています。それと比べるのはかわいそうですが、最近、YouTubeを始めた華原さんは、素人が撮影しているのが丸わかりで、華原さんのメークもダメ、照明もダメ。あれじゃ逆効果ですよね。素人並」

 芸能人がYouTubeを始めれば、そのときは話題になるし、ご祝儀相場で登録者数も増える。広告収入も期待できる。本業の稼ぎが目減りした芸能人にとっては、起死回生を狙えるメディアになりつつある。実際、石橋はYouTubeで評判を取り、人気の息を吹き返しつつある。

 問題は継続性。新たなネタ、新たな驚きを、飽きられない頻度でどう発信続けられるかが、勝負のわかれ道になる。昔の名前だけでは、どうにもならない。

〈取材・文/薮入うらら〉