「困ったときは、お互いさま」という言葉があります。助けるほうが、助けられるほうの精神的負担を減らすためにかける決まり文句ですが、見方を変えると「あなたにも、私と同じように人を助ける力がある」「だから、私に何かあったときはよろしくお願いします」と、相手を対等に見て、信頼している平等精神が込められていると言えるのではないでしょうか。誰かに何かをしてあげるときの極意はこれではないかと思うのです。相手の能力を認め、「何かあったときに、この人なら助けてくれる」と思える人に頼む。自分と相手の能力が同等でないと、トラブルは起きてしまうのかもしれません。

華原には「超強いオンナ」の一面もある

 話を華原朋美との関係に戻しましょう。華原は長年所属していた事務所を離れ、YouTubeをはじめています。9月23日に華原は高嶋と元所属事務所の社長に対して「私の勘違いであり、虐待ではありませんでした」と謝罪しています。しかし、今にも泣きだしそうな声で話しているために「どこからか圧力がかかって、謝罪に追い込まれた」ような印象も受けるのです。

 華原といえば「天才プロデューサー・小室哲哉氏に見初められ頂点を極めるが、ある日突然捨てられてメンタルを病む」という「ザ・弱いオンナ」のイメージもありますが、その一方で「不安定ではあるが、芸能界から消えることはなく活動している。40代半ばで出産もした」という「超強いオンナ」の一面もあるのです。華原が不安定なのは実は今に始まったことではなく、全盛期もちょっとおかしなときはありましたが、YouTubeを見て「高嶋が追い込んだ!」と思う人もいるでしょう。

「弱いオンナ」だと勝手に決めつけて、相手をナメていると、自分がヤバいことになるかもしれません。高嶋は、自分の言葉でこれまでの経緯を説明したほうがいいのではないでしょうか。


<プロフィール>
仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ。会社員を経てフリーライターに。『サイゾーウーマン』『週刊SPA!』『GINGER』『steady.』などにタレント論、女子アナ批評を寄稿。また、自身のブログ、ツイッターで婚活に悩む男女の相談に応えている。2015年に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)を発表し、異例の女性向け婚活本として話題に。好きな言葉は「勝てば官軍、負ければ賊軍」