「終わるのが嫌だな~」

 9月24日、『半沢直樹』の撮影がクランクアップした際、主演を務めた堺雅人は感慨深く、そして名残惜しそうに、こう漏らしていた─。

 前作同様、平均視聴率は毎話20%超えを連発、最終回も32.4%という高視聴率を獲得して有終の美を飾った同作。しかし、華やかな舞台の裏では、ギリギリの撮影スケジュールでキャストもスタッフも体力の限界だったという。

 そんな過酷現場を支えたのは“ある出演者”だったそう。

今回はとにかく出演者のアドリブが多かったんです。その中でも意外だったのが、北大路欣也さんが“俺もやってみたよ(笑)”と、さりげなくアドリブを入れていたこと。撮影現場では寡黙かつ、独特な存在感があるのでピリピリする場面もあったのですが、カットがかかると北大路さんが演者さんに“いい芝居だったよ!”とか“今のセリフ、好きだな”と声をかけてくれるんです。その言葉でキャストは喜んで、芝居やアドリブに、熱がこもるようになったんです」(制作会社関係者)

グッズが“100倍返し”の売れ行き

 大御所俳優からの言葉で最終回まで全速力で走りきった『半沢』。その影響力は各方面に波及している。『半沢』の原作本を発行する出版社に、売れ行きについて話を聞いてみた。

「9月17日に発売された『半沢シリーズ』の新刊は、累計発行部数が35万部を超えました。他社から出版された作品も合わせると、シリーズ累計発行で670万部はゆうに超えているかと。ドラマ開始に合わせて増刷していたのですが、予想を上回る勢いです」

 興奮ぎみにそう話すのは、講談社の担当者。原作本の売れ行きもさることながら、“『半沢』パワースポット”も盛り上がりを見せている。

堺さんは長年、地元である宮崎県の『みそぎ御殿』にお参りに来ているんです。直筆のサインも置いてあり、半沢ファンが観光に訪れるようになって、いつしか“半沢神社”と呼ばれるようになりました。続編が始まってからは『Go Toキャンペーン』も相まって土日や連休は大盛況です。特に、御朱印が人気なんだとか」(地元住民)

 東京・赤坂にある『TBSストア』からも、うれしい悲鳴が上がっている。

続編の放送スタートに合わせて販売が始まった『100倍返し饅頭』のおかげで、赤坂店全体の売り上げが2~3倍に跳ね上がったんです! 半沢の出向先だった『セントラル証券バージョン』と『東京中央銀行バージョン』があり、半沢がそれぞれの会社に在籍していたときの名刺を封入しています。手土産用に購入される方が多い印象ですね。

 毎日100箱ほど売れるので、まさに“100倍返し”です(笑)。毎日のように追加発注していますが、工場の生産が追いつかずに9月の4連休には完売してしまうほどでした」(TBSストア店員)