今回の裁判は、新型コロナウイルス対策で全員がマスクを着用。女性検察官の小さい声がさらにマスクで遮られていたので、聞き取れず集中力を失ったことは考えられる。

 その間、被告を何度も観察したが、残念ながら眠気に耐えかねているようにしか見えなかった。

 高齢であることは考慮しても、自分が裁かれる場でも耐えられない体力しかない人間が、自動車を運転していいのかという疑問もある。

アクセルを踏み続けたことは事実

 元千葉県警交通事故捜査官で、「交通事故調査解析事務所」の熊谷宗徳代表は、公判をこう見ている。

「多くの事故の場合、ブレーキとアクセルを踏み間違えていて、本人もそれに気づかないことが多いものです。

 私もこの事故現場を検証しましたが、縁石にぶつかったタイヤの跡も残っていたし、映像を分析しても、明らかに速度は60キロ→84キロ→96キロと加速し続けています。アクセルを踏み続けていたことは事実でしょう」

帰りは帽子をかぶり、うつむいたまま縮こまるように裁判所を後にするしかなかった
【写真】飯塚被告の自宅マンション玄関に貼られていた「迷惑です」の張り紙

 さらに、被告が高齢で、もともと足が悪いことも、背景にあると続ける。

「高齢者ほど運動神経も反射神経も悪くなる。それでパニックになり、自分ではブレーキを踏んでいるつもりになります。さらに、被告は足が悪いということで、足を上げてブレーキに踏み替えたつもりが、足があまり上がらず、アクセルを踏み続けてしまった可能性が高いです」

 飯塚被告は医師から運転を止められていたとも報じられていて、車がなければ生活できなかったわけでもない。

「さらに、2001年に同じような前科があることがわかり、今回は事故の責任を認めていないので、不利な状況だと思います」(民放社会部記者)

 今後、検察の立証を覆せる自信があるのか、実刑判決を受けても、高齢や健康などの理由で収監されないと高をくくっているのか……。