山田の「まんまる後頭部」に注目の声

『K2』では「泣きの芝居」をコミカルに、田中とのテンポのいいかけ合いで演技力を見せ、視聴者を飽きさせない。そして、最も感情を揺さぶる場面では、「泣きの芝居」ではなく、「後ろ姿」を見せるという演出をしている。

 この演出はかなり戦略的で、おそらくそれも制作サイドの狙いのひとつだろう。

 山田の武器ともいえる「泣きの芝居」をあえて封印し、「後ろ姿」を見せることで山田のファンを刺激しているわけだが、実際に、第5話終了後には、ぼんやり佇んでいる後ろ姿に、SNSでも「後頭部」に注目する声が続出した。「後頭部担(※)のつぶやきだらけ」とも言われていたほどである。(※山田のファンで、特に彼の後頭部が好きな人)

 相棒役の田中も情報サイト『Plus Paravi』のインタビューで、

涼ちゃんの後頭部がすごい綺麗な丸なことに気づいたんです。「すごい綺麗だな」とうっとりします(笑)

 と語っており、その「まんまる後頭部」の魅力はお墨付きというわけだ。

 ちなみに、『K2』では、もともとカナヅチだった山田を水の中に飛び込ませたり、「高所恐怖症」なのに高い場所に上らせたりと、彼の“恐怖症克服ドラマ”となっており、山田の成長を感じさせてくれる。

 中学生時代、10代らしくないクールさや大人っぽさから女性ファンを夢中にさせた山田。そんな彼が、10年以上の時を経て、“大人の幼さ”を新たな武器に、女性たちの庇護欲を掻き立てているのだ。

「背中」で人生を語った高倉健さんじゃないが、「まんまる後頭部」で視聴者を刺激する山田。最終回も大いに心を揺さぶってくれるだろう。

PROFILE●田幸和歌子(たこう・わかこ)●1973年生まれ。出版社、広告制作会社勤務を経てフリーランスのライターに。週刊誌・月刊誌等で俳優などのインタビューを手掛けるほか、ドラマコラムを様々な媒体で執筆中。主な著書に、『大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた』(太田出版)、『KinKiKids おわりなき道』『Hey!Say!JUMP 9つのトビラが開くとき』(ともにアールズ出版)など。