嵐ファンは、朝から大変だ。

 2020年10月23日、朝日・読売・毎日・産経・日経の一般紙5紙に、相葉雅紀(37)、松本潤(37)、二宮和也(37)、大野智(39)、櫻井翔(38)が個別に登場しているソフトバンクによるiPhone12Proの全面広告が掲載されたのだ。

嵐のコンテンツ力のすごさ

「オバ嵐(嵐の高齢女性ファン)は朝からコンビニに走りましたよ。うちは毎日新聞を取っているのでニノ。全部、見渡してみると、日経=桜井、産経=相葉、読売=大野、朝日=松本、毎日=二宮と壮観ですが、新聞によって即売の数値がどうなるのかと思っちゃいましたね」(ファンのスタイリスト)

 確かに、わが家の近所にあるコンビニ3軒を回り、新聞売り場を確認すると、一般紙がまるでなくなっている! こんなことは、普段ではあり得ない。

 新聞各社も必死だ。

 それぞれがツイッターで「ぜひ他の新聞もそろえて#見たことのない新聞広告をお楽しみください」(日経)、「#読売#朝日#毎日#日経#産経新聞の嵐のメンバーを揃えると『#ARトーク』が楽しめる#見たことのない新聞広告です」(読売)など、盛んにPRしている。

「全紙そろえると9種類のメッセージが楽しめるという仕掛けですから、CDやDVDなどパッケージの購買力がすごい嵐ファンを、どんぴしゃりで狙っていますよね」(情報番組デスク)

 10月15日から1週間は、「新聞界のメーンイベント」と日本新聞協会が位置付ける新聞週間だったが、ご存知のとおり新聞業界は青息吐息だ。

「かつて、部数1000万部を売りにしていた読売新聞は、現状800万部。朝日は来年には500万部を切るだろうという危険水域に突入している。日経、毎日は200万と少し、産経は200万部を大きく切っています。ただ日経は電子版の勝ち組ですから余裕がありますけどね」(関係者)

 新聞各社にとっても、“嵐さまさま”の、今回の広告企画だったのだ。ファンはネットで「推しの嵐だけでなく、ほかのメンバーも買ったほうがいいよ」と、拡販してくれる。新聞社にとって、こんなありがたい1日はない。

 それにしても嵐のコンテンツ力、すごすぎる。でもその魔法も、残りわずかだが。

〈取材・文/薮入うらら〉