舌でわかる病気:50代が注意すべき6例

 中高年世代が注意したい6つの病気ごとに、よく見られる舌の特徴と対処法を紹介。気になる兆候がある場合は、専門家に相談して早期発見につなげよう。

高血圧
 老化で身体が乾燥すると血管の柔軟性が失われて、高血圧となりやすい。その場合、舌も乾燥が進むため、舌苔がつかなくなり、裏側は血管が浮き出てくる。

【特徴1】舌苔がつかないので、表面はつるつる。光沢のある舌になる。

【特徴2】乾燥して血液がドロドロになると、舌の裏の静脈が太くなる

《対策》体液を補い、血行をよくするホウレン草、ヤマイモ、アスパラガス、ごま、青魚などを意識してとろう。

脳梗塞 
「急に体調が変わりやすい体質になると、脳梗塞の危険性が高まる」と中医学では考える。次のような舌は脳出血や心筋梗塞も起こりやすい状態なので注意。

【特徴1】ブツブツや赤い斑点は、突然の出血が起こりやすい状態を示す。

【特徴2】血液がスムーズに流れなくなると、大きくてはれぼったい舌に。

《対策》ストレスや温度差の刺激で発症しやすいので注意を。食材はホウレン草、トマト、ごまなどがおすすめ。

肝機能障害 
 栄養素の代謝や血液の浄化などを担う肝臓の機能が低下すると、体内の栄養が不足して、血行も滞る。その結果、見るからに弱々しい舌になることが多い。

【特徴1】舌に栄養が届きにくくなるので、やせた薄い舌になる。 

【特徴2】血行が悪くなると、舌の色も変化。赤みがない、青や紫の舌に。

《対策》肝臓をいたわる食材は大豆製品、貝類、イカ、タコ、旬の野菜など。お酒や暴飲暴食を控えるのも重要。

糖尿病 
 糖尿病は「体液不足で血液循環が悪くなり熱がこもった状態」と中医学ではとらえる。血液がベトつくと舌は赤くなる。また熱がこもると舌苔が黄色くなる

【特徴1】糖尿病の人によく見られるのは、全体的に赤みが濃い舌

【特徴2】乾燥して黄色い舌苔は、身体に熱がこもっているサイン。

《対策》適度に運動して、糖質ひかえめの食事をとるのが基本。食材は体液を補うヤマイモ、黒豆などがよい。

■胃炎 
 中医学では胃炎は「熱で生じる症状」ととらえる。その場合、舌は赤く舌苔は黄色くなりがち。さらに舌苔の状態を観察すると、より細かなチェックが可能に。

【特徴1】舌苔が奥だけにあるのは、胃腸の働きが弱い人に多い舌。 

【特徴2】胃に炎症や潰瘍が生じると、舌苔が部分的にはがれた状態に。

《対策》胃腸の働きを整えるのはイモ類、ニンジン、豆類、カリフラワーなど。これらを温野菜にして、とろう。

がん 
 がんになるか、ならないかを決めるのはその人の免疫力。元気がなく、生気が感じられない舌になると、免疫力が落ちているサインなので、注意したい。

【特徴1】免疫力が低下すると、しっとりして、やわらかい舌になる。

【特徴2】がんでは血流が悪化することが多い。その場合、舌に紫の斑点が。

《対策》生命力が強い旬の野菜や魚介類をとる。不規則な生活は免疫力を下げるので規則正しい生活を。