コンビニが
日本人のエコ意識スイッチを押した

 有料になったことで、どのくらいレジ袋の利用は減ったのだろうか?

 現在コンビニでレジ袋を辞退しているのは約75%〜77%(大手3社)、レジ袋の削減状況をみるとセブン-イレブンは約8000トン(2020年7月〜2021年2月の削減量)、ファミリーマートは年間約23億枚削減の見込み(2019年度実績対比)、ローソンはレジ袋の利用枚数が昨年対比で約75%削減となっている。(2020年7月~2021年1月の期間)。この数字にはどんな意味があるのか。

コンビニが“もったいない精神”を思い出させた」と、22年間コンビニに勤務した経験をもつ流通アナリストの渡辺広明氏は強調する。渡辺氏自身がレジ袋有料化スタートの昨年7月1日に都内の店舗を視察するも意外なほど混乱はなし。半年後の状況を探ろうと年末コンビニで店員としてレジに入ると、さらにお客さんとのやりとりはスムーズだったという。

「日本全国に店舗があり、年間159億人(2020年の買い物客数=全店ベース)が利用するコンビニは、人々の行動変容を促すのに向いています。客層を限定しないので、国民の総意があらわれるとも言える。今までタダでもらっていたレジ袋ですが本当に必要な人は25%で、便利だけど不要なものを使っていたという気づきをコンビニが与えたわけです。レジ袋有料化を入り口に、弁当トレイやペットボトルが減ったり、割りばしやストローも有料になったりするかもしれません」

 そして、エコと同時に進むのがセルフ化だ。買ったものを自分で詰めるのが浸透し、セルフレジや商品スキャンだけ店員が行うセミセルフレジに抵抗がなくなると見ている。

「新しいことが始まると、慣れずに不便を感じる部分もあると思いますが、そういうお客さんの声をもとにして最良の方法が築かれていくと思います」

 有料化から半年たっても、レジ袋のやりとりはまだ過渡期。スムーズな買い物スタイルが確立されるには、客側と店側の双方に時間とコミュニケーションの積み重ねが必要といえそうだ。