世論調査会社「ユーガブ」の最近の調査から、ヘンリー王子夫妻の人気度を見ていこう。

 夫妻が公務を縮小させたいという意思宣言を出したのは、昨年1月。2人の好感度はこれ以降次第に下がっていく。同年10月20日時点でヘンリー王子に好感を持つ人は48%、ネガティブな見方を持つ人は47%と2つに割れているが、1%の差で好感度を持つ人が多い。その数カ月前の3月時点との比較では19ポイント下落している。

 メーガン妃の場合は好感を持つ人は33%、ネガティブな見方をする人は59%。後者のほうが26ポイントも多い。同様に3月時点での比較ではマイナス18ポイント。メーガン妃にとっては、厳しい数字である。ウィンフリーさんの番組に出演し、イギリス王室について話すことを支持する人は、今年2月16日の調査では、29%。「不適切」とする人は46%に上った。

 一連のユーガブの調査対象者はイギリス国民の年齢、ジェンダー、政治志向を反映するように選ばれている。メーガン妃にネガティブ志向を持つ人が59%、今回の番組放送を不適切と思う人が46%というのは、無視できないほど大きな比率と言えないだろうか。

憧れの対象から「メディアの敵」に

 筆者自身、ヘンリー王子夫妻の結婚式をテレビで視聴しながら、感動してほろりと涙をこぼした1人だ。あのときのメーガン・フィーバーはどこに行ってしまったのか。

ウィンザー城近くの土産店のショーウインドウ(2018年5月、筆者撮影/東洋経済オンライン)
ウィンザー城近くの土産店のショーウインドウ(2018年5月、筆者撮影/東洋経済オンライン)
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 振り返ってみると、元女優という華やかな経歴、美しい容姿、女性の地位向上を支援する活動家、イギリス国民が愛するヘンリー王子のハートを射止めた人物……メーガン妃はあっという間にあこがれの対象となった。

 しかし、ヘンリー王子や兄ウィリアム王子の母親故ダイアナ妃のように、メーガン妃もイギリスメディアに執拗に追われた。有色人種であることから、ソーシャルメディアや一部大衆紙に人種差別的な描写をされたこともあったという。仲たがいをした父親に送った手紙を大衆紙が報道したため、プライバシー侵害などを訴えて裁判を起こし、「メディアの敵」として見られるようになった。

 イギリス王室の「新参者」として王室のスタッフとの確執が報道され、ウィリアム王子の妻キャサリン妃と仲がよくないという噂も立てられた。メディアの過剰報道に嫌気が差して公務縮小を宣言し、これが昨年からの「離脱」につながっていく。