ウィンフリーさんの番組を宣伝する動画が公開された今月2日、体調を崩して入院中だったヘンリー王子の祖父フィリップ殿下(エリザベス女王の夫)は心臓検査のためにロンドンの聖バーソロミュー病院に転院したばかり。

 6月には100歳を迎える殿下の容体悪化に懸念が広がる中、アメリカにいるヘンリー王子夫妻はテレビのインタビュー番組に登場し、王室の内情を話す……。イギリスの保守系国民にとっては許しがたい行為と映る。「そんなことをしている場合なのか」、と。

「ハリーとメーガン妃にお願いだ。殿下のために番組の放送を延期してほしい」と訴えるサン紙(3日付、筆者撮影/東洋経済オンライン)
すべての写真を見る

 イギリスで最も発行部数が多い大衆紙「デイリー・メール」は1面にヘンリー王子とフィリップ殿下の顔写真を並べ、「フィリップ(殿下)が、これほど容体が悪化しているのに、ハリー(ヘンリー王子の愛称)がよくもテレビに出られるものだ」という見出しをつけた。デイリー・メールと並ぶ大衆紙「サン」は「ハリーとメーガン妃にお願いだ。殿下のために番組の放送を延期してほしい」、と訴える。

 メール紙は中面で「王室、ハリーが落とす爆弾に身構える」の見出し付きで予定されている番組の内容を予測した。ウィンフリーさんは夫妻の結婚式のゲストの1人で、夫妻が「非常に衝撃的なことを話してくれた」と語っているという。

 夫妻の番組出演とフィリップ殿下の入院の話を関連づける紙面作りは、高級紙「タイムズ」や「テレグラフ」でも同様だった。

まるで「ホラー映画」

 先に紹介した、テレグラフ紙のコラムニスト、ピアソン氏はこう書く。

「オプラ(・ウィンフリーさん)が司会をするメーガン妃とヘンリー王子のインタビュー番組が、もうすぐ放送されるというわけね。まるでホラー映画の公開が近日中という感じがする。宣伝動画によれば、王室での生活はメーガン妃にとって『生きていけないほどの状況』だったそうね。かわいそうに! 3200万ポンド(約47億円)をかけた結婚式や大幅改修のフログモア・コテージに住むのは、さぞや生き地獄だったでしょうね。」

 一方のヘンリー王子は自分と妻にとって『信じられないほどきつい状況だった』とウィンフリーさんに話している。で、世界中で新型コロナのパンデミックが広がっているっていうこと、知ってた? それに、99歳になる祖父が入院中なのよ。エリザベス女王は今だけでも手いっぱいなの。ほんの2年前に王室に入ってきた女性と関わっている状態じゃないわ」

 メーガン妃のファンにとってはきつい表現だが、保守系メディアの報道を見ていると、これが本音といえそうだ。