ネット上での失言が消えづらい理由

 過去の失言の多くは、先述した乱一生のように番組内でポロリしてしまうケースや、「不倫は文化」発言で騒動を巻き起こした石田純一(67)のように突撃取材などで失言をしてしまうケースがほとんどだった。

 しかし、ブログやツイッターが定着するようになると、ネット発の失言が目立つようになる。その最たる例が、《自業自得の人工透析患者なんて、全員実費負担にさせよ! 無理だと泣くならそのまま殺せ!》というタイトルのブログを投稿した長谷川豊(45)だろう。大炎上後、レギュラー番組を降板する事態になり、いまなお発言による傷痕は深い。

「失言についてのニュースがネットで読まれると炎上し、より多くの人の目に止まり、結果、PV数が稼げます。雨後のたけのこ状態よろしく、次から次へとその失言に関する記事が各社から発信されるため、渦中の芸能人から失言のイメージが消えづらい」(中川氏、以下同)

 その嚆矢となった失言が、倖田來未の「35歳を過ぎると羊水が腐る」発言だと、中川氏は指摘する。

「この失言は、彼女がパーソナリティーを務めるラジオ内でのひと言。ラジオという比較的パーソナルな媒体においても炎上し、ネットニュース化、つまりメディアにとって価値があることが示された出来事だったと思います。以後、芸能人のラジオ内の発言もマスコミがチェックすることが当たり前になったほどです」

 岡村隆史の失言も、ラジオ内での出来事だった。彼からすれば、いつものノリで発したひと言だったのだろうが、そうは問屋が卸さない。見事にネットニュース化され、大騒動に発展した。

 実際、あるスポーツ紙の記者は、「数字が取れそうな人の発言は常にチェックしています。テレビはもちろん、ラジオやSNSでの言葉にも注視している」と明かす。一方で、「ネットの発展がファクトチェックの機会になっている」と中川氏は付け加える。