グループ総売り上げ高が2020年3月期で732億円。さらに昨年からのコロナによる巣ごもり消費の恩恵もありスイーツの販売が好調。店舗数はここ5年で100店舗増加し、現在国内では560店舗、海外8か国で95店展開。今、シャトレーゼの勢いが止まらない。

86歳会長が一代で築き上げた

「経営のモットーは“おいしいものを、お値打ちで。ひとりでも多くのお客様にお楽しみいただきたい”です」

 と話すのは、広報・原令子さん(以下、同)。

 そのシャトレーゼを一代で作り上げたのは、現会長の齋藤寛さん(87歳)。生家は山梨のぶどう農家であったが、弟がやっていた焼き菓子店がなかなか軌道にのらず、一緒にやることになったのが“菓子業界”に足を踏み入れたきっかけだった。

 兄弟とともに1954年に今川焼き風のお菓子「甘太郎」のお店を山梨県甲府市に出店すると、当時は手に入りづらかった砂糖や北海道産小豆などを原材料に使用。1日約1万個を売るほどの人気に。

 ぶどうと違って季節に関係なく、いつでも売れるお菓子の魅力にはまった齋藤会長は1967年、当時はまだ珍しかったシュークリームの生産を開始。小売店に冷蔵庫の設置が少なく、生ものは扱えないと敬遠される時代。それならば店に在庫を抱えず、すぐに売り切れる価格でと、当時では破格といえる“10円”で販売。1日50万個売れる大ヒットとなった。

ブレない信念を軸に経営を多角化

株式会社シャトレーゼ代表取締役会長
齊藤寛●1934年山梨県生まれ。20歳で「甘太郎」を創業して以来、「我以外皆我師」をモットーに、向上心を燃やし続けている

 さらに1985年には、より“高品質かつ低価格”の商品を多くの人に届けるため、工場直売店を設置。オープンするやいなや客が押しよせた。現在、自社工場ではケーキだけでなく、アイスクリームや和菓子など400種類以上の商品を製造・販売している。

 2019年からは銀座などの都心の一等地を中心にワンランク上のスイーツが楽しめる新ブランド「ヤツドキ」の展開も始まった。

 現在も精力的に会社運営の舵を取る齋藤会長は、経営はもちろん、趣味にも全力。80歳を超えてなお、ゴルフのフォーム改善に力を注ぐ。常に進化し続けるシャトレーゼには、齋藤会長のそんな情熱が反映されている。

 シャトレーゼは、スイーツ以外に、ホテル、ワイナリー、ゴルフコースを経営している。事業が違えども、背後には“すべてはお客様のために、よいものを安く”といった経営理念が息づき、スイーツ事業と一体となってファンを増やし続けている。

 シャトレーゼの底力がわかる、知られざる世界をのぞいてみよう! 

いろいろな事業を展開! シャトレーゼグループ
●ハイクオリティ&リーズナブルなスイーツ
●子連れにやさしい工夫が満載なホテル
●国内外で受賞多数のワイナリー
●プレー後はスイーツも堪能できるゴルフ場