もっとバラエティーに出たい

岩井 ケンカが強くて、お母さんが華原朋美って、最高じゃないですか! 伝説の番長になりそう。

華原 私も、普通のお母さん的なことをしてみようと思って、息子の送り迎え用に、電動自転車を買ったんです。そうしたら、子どもを送った後に、恵比寿の交差点で転んじゃって。見ていた人たちが「大丈夫ですか!」って駆け寄ってきてくれて、私を見て「あ! 朋ちゃん!?」て。またみんなに心配されちゃったという(笑)。

岩井 あらあらそれは大変でしたね。でも、朋ちゃんは自転車じゃなくて、馬に乗って送り迎えするべきですよ! それでこそ華原朋美でしょう。これまでのママタレさんたちとは一線を画した存在になってほしいですわ。そういえば、『アウト×デラックス』(フジテレビ系)への出演が話題になってましたね。もっといろんなことしゃべるといいと思いますよ。

華原 そうなんです。もっとバラエティーに出たいんです。そのほうがみなさんに本当の私を知ってもらえると思うので。

岩井 私、今でも覚えているんですけど、朋ちゃんが歌手デビューするとき、ある週刊誌に華々しく取り上げられていたんですよ。「平成のシンデレラ」って。とても可愛い子だな、って。でも、そのとき思ったんです。シンデレラとか玉の輿って、ひどい言葉だなと。

 何の取りえもない女性が、王子やお金持ちの力で地位を得られたってことでしょう。朋ちゃんにはもともと魅力や歌唱力があったのに。そして、その男性と別れると、いきなり奈落の底に落とされたような視線を浴びせられる。シンデレラって、残酷な表現ですよ。

華原 そうですね。そう思います。でも、私は実際に何も持っていなくて、あの時代とあの環境にいたからこそ、シンデレラになれたんだとも思います。ただ、シンデレラにされたからこそ、本当の自分を出すことができなかったんです。幸せでは、なかった。だから、今、あの時代に幸せだったはずのことを思い出そうにも、思い出せないんです。

岩井 そうですね。いくら自分に魅力や実力があっても、時代やタイミングとか、いろんな要素があってこそ、ヒットしたりするわけですからね。でも、移動の際はファーストクラスを貸り切って床に毛布を敷いて寝てたとか、飛行機の中で朋ちゃんがなくしたキティちゃんのボールペンを、スタッフが総出で探したとか、すごい伝説を聞きますよね。

華原 はい、そういった経験は、もう絶対ありえないことだと思います。でも、それが楽しかったかどうかというと、よくわからない。しかし、それが経験できたことはよかったと思います。

ヒョウ対ネコの対決! 鳴き声が天に轟くかのよう……
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岩井 そういえば私も、その話を聞いたときも、羨ましいとは思わなくて、ただただお金があるってすごいな、って思ったような気がしますわ。もっと違う人だったら「何、ムカつく!」ってバッシングも多かったでしょうけど、朋ちゃんの歌声は文句なしに素晴らしかったし、なによりなんとも憎めない愛嬌があった。

 その後、朋ちゃんは、どこそこで飲んだくれてたとか、もんじゃ焼きを作っていて、誤ってコンロのガスを吸っちゃって、救急車を呼ぶはめになったとか、そういう話題で世の中を騒がせるようになりますよね。でも、ちょっと笑っちゃう、というか……。

華原 はい、そうでした(笑)。でも、それが本当の私なんです。私自身、いろいろ苦しかったのは事実ですし、いろんな人に心配をされるようになったけど、本当の自分を出せるようになったので、結果的にはよかったんだと思います

岩井 これからは、母となった朋ちゃんの思いが込められた、歌も聴いてみたいですね。

華原 そうですね。新しい一面を出せれば、と考えているんですけど。息子の将来がちょっと心配ですね。とにかく私と同じ人生は歩ませたくはないので。

岩井 でも、男の子って、どこか母親に似た女性を選ぶっていうじゃないですか。いつか朋ちゃんに似た、ハラハラさせるところがあるけど愛嬌のある、可愛い彼女を連れてくるんじゃないかしら。

華原 私に似た女の子ですかー。楽しみだけど、複雑ですね(笑)