閉鎖病棟の病室を細かく説明!

錦山さんが入っていた閉鎖病棟の病室
錦山さんが入っていた閉鎖病棟の病室
【写真】入院経験者が説明した「閉鎖病棟の病室」

【部屋全体】物を引っ掛けられる出っぱりがなく造られている。

【窓】はめ殺しではない。ビルのトイレなどにある、片側の端っこをほんの少し外側に向けて開けられるタイプの窓と同じ構造。鍵がかかっているのか開けることはできない。窓はガラスではなく強化プラスチックと思われる。窓自体のサイズは軽自動車のドアの窓くらい。窓の真ん中が床から170cmくらい。景色は見えるが少し位置が高い印象。

【扉】小窓がついている。小窓の真ん中が床から160cmくらい。強化プラスチックらしき素材がはめ殺しになっていて小窓自体は開けられない。小窓には普段はふたがしてあり、外側(廊下側)からしかふたを開けられない。このふたはのれんみたいに上だけ固定されており、下の端に付いているツマミを持ってめくり開けるような簡易的なもの。たまに看護師が中の様子をのぞく。

【扉のドアノブ】普通のドアと違い、物が引っ掛けられないようにドアノブが扉に斜めに刺さっており、鍵を掛けると画像のようにドアノブが下を向くようになっている。普通のドアノブのようなデザイン製はなく凹凸がないツルツルした造り

【棚】ひもやガラスなど自傷他害に使えそうな物以外は好きに物を置ける。部屋の外に自由に出られるようになるまでは棚にトイレットペーパーだけが置かれていた。部屋の外に自由に出られるようになるとトイレットペーパーは回収された。

【簡易トイレ】プラスチック製。便座部分にふたが付いており、トイレ時にはふたを開けて座って使う。ふた付きのゴミ箱のふたの周りに便座がくっついて座れるようになったような構造。便座もふたもはずすと中のバケツを取り替えられる。バケツ交換の時間まで便はそのまま。部屋の外に自由に出られるようになると簡易トイレは回収された。

【ゴミ箱】中に袋などはつけられない規則になっている。100均のゴミ箱をそのまま置いてある状態。

錦山まる基準「こんな精神科病院・閉鎖病棟は注意!」

【病院内部の情報がわからない】

 事前に少しでも情報が公開されている病院のほうが安心して行くことができる。ホームページやSNSなどで内部情報が集めやすく、わかりやすい病院に。

【フィーリングが合わない】

 錦山さんの場合、親近者が通院する病院や入院する病院を選んだが、そのとき「ここにしよう」「ここはやめておこう」と思ったポイントは「対応の印象がよかったか」。受診のために電話をしたときの対応、入院前に病院に行ったときの診察の様子などから「しっかり向き合ってくれそうだ」「きちんと診てもらえそうだ」と感じた病院に決めたという。

 逆に患者さんの様子をほとんど見ない、患者さん本人に質問をほとんどしないなどの対 応をされた病院はすぐに行くのをやめたとのこと。

教えてくれたのは……●錦山まるさん●1988年、千葉県生まれ。プロの漫画家を目指して19歳で上京。24歳で初の単行本を出版するが、次回作の準備中にうつ病と診断されドクターストップがかかる。医師よりうつ病の「完全寛解」宣告を受け、うつ病に関する啓蒙活動に力を入れる。著書に『マンガでわかるうつ病のリアル』(KADOKAWA)がある。

[取材・文/オフィス三銃士(松本一希)]