太平洋と大西洋の漢字の違い

【Q】太平洋と大西洋、なぜ「太」と「大」で漢字が違うの?

【A】前者は平和を意味する「太平」を、後者は「大きな」を意味します。

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 太平洋と大西洋、ともに世界を代表する海で名前も似ているが、「たい」の漢字が「太」と「大」で違うのはなぜだろうか。

 京都大学大学院文学研究科地理学専修の水野一晴教授によると、「太平洋は太平な海洋、つまり平和な海という意味で、英語のPacific Oceanを訳したものです。探検家のマゼランが、初めて世界一周の旅を成し遂げたときに、1度も大きな嵐にあわなかったという逸話に由来しています」とのこと。

 一方、大西洋は英語でいうとAtlantic Ocean。アトランティックはギリシャ神話に登場する巨神アトラスに由来するが、そのまま訳すのがむずかしいため、ヨーロッパの西に広がる大きな海ということで「大西洋」と訳されたという。

 つまり、太平洋と大西洋は訳したときにたまたま似たような名前になったが、「たい」の意味合いはまったく異なるため、漢字が違うのだ。

 ちなみに、太平洋では遠く離れた島々のあいだで、類似した言葉や文化が見られるのだという。

「太平洋圏に住む人々は、台湾を起点として西から東へと、数千年をかけてカヌーに乗って島から島へと移住を繰り返していきました。そのため、例えばハワイとイースター島は七千キロ以上も離れていますが、言葉や文化が非常によく似ています。これは大陸間の移動では起こりえないような広範囲にわたる伝播で、太平洋の大きな魅力だといえます」(水野先生)