国際通りの歩道には客引きと見られる若者数人が全員ノーマスクでたむろしていた。 

 旅行業関係者は複雑な胸の内を明かす。

「沖縄は観光で成り立っているので、お客さんが来ないと生活できない。でも、感染は怖い。飲食店や土産物店でマスクもせず大声で話しながら商品を見て回る人もいて困ります」

 観光客はお金を落とすとともにウイルスも落とし、県民にも広がっていく。

玉城デニー知事の危機感も薄い

 同県の玉城デニー知事は全国知事会(8月20日)で航空機の搭乗条件にPCR検査を制度化することを要望した。

 前出の徳田医師は憤る。

「もっと早くに来沖前のPCR検査やワクチン接種を義務化できればよかったんです。感染拡大の原因として観光客だけを責めることはできません。国や県、航空会社にも責任の一端はあるんです」 

 感染力の強いデルタ株に感染している無症状の観光客が来沖すれば、当然蔓延する。

「去年の5月、6月の新規感染者数はゼロでした。そこで水際での対策を徹底すればよかったのにそのあとがザルでした」(徳田医師、以下同)

裏通りの駐車場には屋台で営業する店舗も。近隣住民とトラブルになることもある
【写真】首相を退く菅義偉氏に対して「コロナから逃げ出した」との声も

 離島の沖縄は飛行機や船以外での来県はできない。そのため、例えば格安航空券でも金額を少し上げてPCR検査を含め、来県者の検査を義務化したり。陽性者は即隔離するなど独自の対策をとることで感染拡大を防ぐことができたのだ。

 沖縄県の危機管理能力のなさや変異株への見通しの甘さが露呈した結果だという。

「県民は外出自粛をし、お盆などの行事もまともにできない。それなのに県は沖縄に来る観光客は野放し。感染拡大は県民の責任と言われれば怒りを買います。菅義偉首相の危機感の薄さが問題になっていますが玉城知事も同様です。観光と経済を両立させるならそれ相当の対策をとる必要があります」

観光客は野放しの一方、県民は不自由な生活を強いられている。

「体育施設を含む公的施設は全面閉鎖。県の“お願い”生活は確実に県民の体力を奪っています」(前出のライター、以下同)

 懸念するのは持病や認知症の発症や悪化だ。

「行き場を失い大型商業施設などに集中。その中でウオーキングをする高齢者も多いんです。そこでコロナ陽性者だが、無症状の観光客と接触し、感染が拡大しています」