目下、“再ブレイク芸人”として注目を集め、テレビなどで目にする機会がグンと増えてきている、お笑い芸人・もう中学生

 イラストなどを描いた手製の段ボールのセットを駆使して「タメになったね〜」というフレーズで締めるひとりコントが代表的なネタだが、コント以外にもトークやロケなどさまざまなシーンで現在、活躍中だ。

「7日放送のNHKの朝ドラ『おかえりモネ』を見ていたら、いきなり“もう中”が出てきて驚きました。持ち前の段ボール芸をそのまま披露し、これは完全に“再ブレイク”ですね」

 と、ある芸能記者は笑いながら続ける。

よく見ると“イケメン”、女性ファン急増

「『水曜日のダウンタウン』(TBS系)の、“芸人が一番面白いと思った瞬間”という説の中で、麒麟の川島明が、もう中の無観客ライブのシュールさを紹介したんです。川島の話術のうまさも手伝って大ウケでした。その後、もう中は『有吉の壁』(日本テレビ系)や『マツコ&有吉 かりそめ天国』(テレビ朝日系)などに出演し、じわじわと再ブレイクしていきました」

 また、人気バラエティー番組を手がける放送作家は、もう中学生のマイペースさを「おもしろい」と共演者が言うことによって、視聴者に浸透していったのではと分析する。

「再ブレイク前とネタが変化したわけではありませんが、彼が持っている独特のマイペースさが意図せぬところでクチコミ的に広がっていきましたね。以前より、少しグイグイ前に出てくる印象ですが、失敗してもめげずにチャレンジするところは、ホリケンさん(ネプチューン・堀内健)に近いところがあります(笑)」

 業界の“身内”の評価以外にも、世間の空気も追い風になっている。BPOが「痛みを伴う笑い」に関し審議することが発表されたこともあり、“痛い姿”を見て笑えない人が増えている中、もう中学生の笑いに癒しを感じる人がいるのでは、と前出の放送作家は続ける。

「彼の場合は、いわゆる“やさしいお笑い”ですよね。あの声のトーンや、しゃべり方にもハマる人が多く、最近では“よく見るとイケメン”と女性ファンも獲得しています。不快感を覚えるお笑いが敬遠される中、もう中の雰囲気はいまの時代にあっているのかもしれませんね」

 一発屋的に消えてしまった芸人たちも、時代の空気とマッチすれば、やり続けることで再ブレイクの可能性は十分ある。

「とはいえ、時代が求めるときにマッチすればいいわけですが、もともとの力がないと、再ブレイクはできないでしょうね」(同前)

 タメになったねぇ〜。

〈取材・文/渋谷恭太郎〉