'19年7月18日、京都府伏見区のアニメ制作会社・京都アニメーションの第1スタジオに当時41歳の男が侵入し、ガソリンを撒いて放火したことで社員36名が死亡、男を含む35名が重軽傷を負った。これは国内において史上最悪の殺人事件であり、2年が経過した今でも犠牲者を悼む声が多く聞こえてくる。

初公判の見通し立たず

「実は、今回の金曜ロードショーで放送される『ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝』は、この事件が発生した前日に完成した作品なんです。
 
 事件の犠牲となった才能あるクリエイター達の“遺作”である同作品のエンドロールには、犠牲者を含め、作品に携わったすべてのスタッフの名が刻まれています。通常、経験1年未満のスタッフ名の掲載は行わない慣例のある京アニにおいては、特別の計らいとなりました」
アニメ制作会社関係者)

 事件を起こした青葉真司(あおば しんじ)被告は、自身も生死の境をさまよう重症を負い、回復を待ったのち、殺人・殺人未遂・建造物侵入・現建造物等放火・銃刀法違反の5つの罪で京都府警察により逮捕された。事件発生から実に10か月以上が経過した後、青葉被告は被害者の数を知ったという。

 今後、青葉被告はどのように裁かれるのか。

燃え跡が残る事件直後のスタジオ
燃え跡が残る事件直後のスタジオ
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10月に入ってから新たな進展として、京都地方裁判所により青葉被告への2度目の精神鑑定が行われることが明らかになりました。すでに鑑定は始まっているそうです。精神鑑定とは、精神科医による精神状態の診断をもとに、裁判所が訴訟当事者の責任能力の有無を判断すること。

 京都地検は1度目の精神鑑定を踏まえて“刑事責任能力を問える”と判断し、殺人罪を含めた5つの罪で被告を起訴したが、ここへきて弁護側が精神鑑定の結果を不服とし、再度の精神鑑定が行われる運びとなったのです」(全国誌社会部記者)

 事件から2年以上が経過するも、初公判の時期は見通しが立たない状況だという。

「今回は国民の関心の高い事件として、一般市民が裁判に参加し有罪無罪の判断や量刑を行う『裁判員裁判』が行われます。一方で、裁判に向けて争点を絞り込んだり、被害者参加制度に基づき裁判に参加する遺族らとの調整を行う『公判前整理手続き』がまだ進んでおらず、初公判の時期の見通しは立っていません」(同・前)