その“勤勉な奴”は、儲けている?

再生数100万回を超える動画が何個か出た月は(結構な額が入っている)。会ったこともない、俺からしたら顔も知らない奴が、俺の切り抜きをやってて、“こんなにもらってんの”って思う月もあったっすね。でもやっぱそこって、跳ねる月もあれば、そうでない月もあるんですけど。だとしてもすごいなって思う月はありますね

 まとまった金額が動くが、あくまでネットでのやり取りのみで、正式な契約書などもない。収益を画像で送らせるというやり方のため、過少申告をすることも出来なくはないが……。

「そんなことをしてほしくないけど、そこまでするならしょうがないというか。でもこっちが疑ったら(そのチャンネルは)終わりなんで。疑われないように、バレないようにやってくれるならまぁいいですね。

 もともと“無いお金”なんで。100万円ちょろまかしてたりすればさすがにわかるけど、せいぜい何十万円とかだったら……ないほうがいいんですけど」

 取り締まりを強化することもできるが、それは自分の労力になる。“楽して稼ぐ”にはならない。

「趣旨が変わってきちゃう(笑)。なんかこいつ面倒くさそうだな、嘘ついてそうだなってこっちが思ったらチャンネルごと消しちゃったほうが楽っていうか。

 なので(切り抜き投稿者に対し)常に俺がギロチンの紐を持ってる状態ってことを相手に知らせとく。友達でもないし、別に感謝もしてないし。あくまでやらせてあげてるだけ」

 呂布カルマ自身が疑うことがあったら、即終了。切り抜きチャンネルに対しては、“疑わしきは罰するスタイル”だ。

そうなんですよね。こっちから(その月の収益を)催促したり、今月どうなってる? とかも“させんなよ”って話だし。そういう“上下”をハッキリさせとくっていうか

 疑わしきは罰するスタイルは、監視体制も生んだ。

「切り抜きチャンネル同士でお互いを相互監視させてるんですよ。他のチャンネルについて“こういうサムネイル作ってましたよ。大丈夫でしょうか?”とか報告してくる。

 これをさせておくと楽ですね。“ルール破ってる奴います!”とか(笑)。競合がいなくなると(自分に再生回数が回ってくるので)自分の得になる。これすると楽っすね」

 切り抜かれる側として、自分より下の立場である切り抜きチャンネル運営者たちの“生殺与奪権”を握っている。

「“オッケー、よく教えてくれたね”っつって(笑)。“新しいチェンネル上がってます!”とかもありますね」

 切り抜きはお金になるということで始める者が多いが、一方で違う考え方の者も。

切り抜きで小銭を稼いでやろうじゃなくて、ほんとに自分のファンでいてくれて、“呂布さんの魅力を伝えたいです。ほかの人が切り抜いていないこういうところを切り抜きたいです”みたいな熱意のある人もいます。

 でも案の定1か月で収益化出来なくて、“すみません……1か月やってみたけどダメでした……。でもこれから先も応援させてもらいます!”って。“お、お疲れっす”みたいな感じになって(笑)。でも結構多くて、そういう人には、お疲れさまです……って思いますね。そんな熱意を持ってやることでもないのになって思いながらも(笑)」