警視庁によると、2021(令和3)年の1年間に発生した特殊詐欺の認知件数合計は1万3,550件。合計被害額は約285億円にのぼる。

 電話による“オレオレ詐欺”だけでなく、パソコンやスマホなどに送りつけられるショートメールやEメール、Webサイト閲覧中の警告画面の表示など、特殊詐欺の誘引手口は多種多様だ。

今回のケース。会員制登録サイト内のチャットやEメールで詐欺師とやりとりした
今回のケース。会員制登録サイト内のチャットやEメールで詐欺師とやりとりした
【写真】詐欺集団とのやりとりに使われた会員制登録サイト

 今は高齢者でもネット環境に慣れ、たやすく情報を手に入れられる。

昔はビジネスマンとして活躍していた自分が、だまされるはずがない

 そんな人ほど詐欺グループにとっては、いいカモになりやすい。

 さらには定年後、家族関係がうまくいっておらず孤独になりがちな高齢者や、預貯金の目減りで心細くなり、「一攫千金」を狙いたいシニアにも詐欺集団は甘い言葉で誘導をかけてくるという。

「まさか、うちの親が」そう思ったときは、もう遅い。

 大切な老後の資金をかすめとられないよう、子世代の「目配り力」が問われている。

インターネット詐欺にあわないための10か条

●ショートメールやEメールのリンクは安易に開かない
●迷惑メールやスパムメールへのブロック機能を強化
●インターネットを介したやりとりで個人情報、ID、パスワード等を教えない
●プリペイド式電子マネーの購入を指示されたら詐欺を疑う
●送金を急がされたら詐欺を疑う
●プリペイド式電子マネーのID番号などを相手に知らせない
●SNSやショッピングサイト、インターネットバンクのマイアカウントへのログイン画面はブックマークに登録しておく
●パソコンやスマートフォンにセキュリティソフトを最新の状態でインストールしておく
●親のクレジットカード履歴をみられるようにする
●あやしいと思ったら警察や警察相談専用窓口(#9110)などにすぐ相談する

※参考【警視庁】https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/sos47/circumstances/