「できた妻」がいるのに家庭を顧みない夫の心理

 実際、三田サンの頑張りはすさまじいのです。2016年10月16日放送『走る!三田寛子400日 中村芝翫襲名の裏側』(BSフジ)を見ると、お手伝いさんのいない家ですべての家事をこなしながら、食事もせず、睡眠時間も削って、夫と3人の子どもの襲名準備のために走り回り、さらにタレントとして自分の仕事もこなしていることがわかります。嫁と姑というのは一般的にわかりあえない関係と言われていますが、お姑さんにも「ホントにできたお嫁さん」と断言させるほどの信頼を勝ち得ています。ここまでの妻の献身を目の当たりにすれば、夫も感謝して芸道に励んでくれると思いきや、話題になるのは不倫のことばかり。

 美しき良妻賢母が家にいながら、なぜ夫は妻や家庭を顧みないのか不思議に思う人もいるでしょうが、私は“完璧な妻”たちのある話を思い出したのでした。

 みなさんは、アルコール依存症の妻というと、どんな女性を想像するでしょうか。私は自己主張をしない、流されやすい人なのではないかと勝手に思い込んでいました。

 しかし、実際はそうでもないそうなのです。精神科医・斎藤学氏の『家族依存症』(新潮文庫)によると、アルコール依存症の妻たちは「スキのない身なりをした美人が多い」そうなのです。それだけでなく、高学歴で高収入、実務能力にもたけたデキる女であることが多いそうです。

 彼女たちは夫がアルコール依存症であることが世間サマにバレないように、心を砕きます。そして決して夫を責めず、「飲みすぎるには理由がある」「飲まなければいい人」と夫をかばうそうです。夫がアルコールで酩酊して会社に行けない場合は、「風邪をひいたので休みます」と夫の代わりに会社に嘘の連絡をし、夫が酔いつぶれている姿を見せると、子どもが精神的なショックを受けてしまうかもしれないので、夫を自分で寝床まで運ぶなど、完璧に“尻ぬぐい”をしてしまいます。

 それは「夫と子どものため」であり、よかれと思っての行動なわけですが、夫は「妻がいるから安心してアルコールに溺れられる、何かあっても妻が何とかしてくれる」状態になってしまっているため、アルコール依存症を治そうという気持ちにならないのだそうです。

 芝翫はアルコール依存症ではありませんが、上記のアルコールを不倫に置き換えても意味が通じるのではないでしょうか。

夫の不倫を謝罪。雨の中、集まった報道陣に深々と頭を下げた(2016年9月)
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 2016年、襲名直前に不倫が報じられた際、一番ダメージを受けたのは三田サンのはずなのに、彼女は報道陣に向かって「私も至らない点もありますので、反省しております」とコメントし、“神対応”と称賛されました。芝翫本人よりできた妻である三田サンに注目が集まるうちに、不倫はうやむやになった。三田サンが不倫報道を受けて、報道陣にむかってキレたり、梨園妻としての仕事をボイコットするようなタイプだったら、芝翫もある程度気を使うかもしれません。しかし、彼女はそんな無責任な人ではない。成駒屋という家を一番に考える三田サンの献身が、皮肉にも仇になっているのではないでしょうか。